19世紀の貴重な楽器で奏でる!フランチェスコ・ヴェルツィッロ~『19世紀フランス・ロマン派のトロンボーンのための作品集』
19世紀の貴重な楽器で奏でる
フランスのトロンボーンのための音楽!
トロンボーンの起源は非常に古く、現在の楽器の祖にあたるサックバットが誕生したのが15世紀頃までに遡ります。それから500年以上もの間、基本的な構造は変わらず、オーケストラ、ジャズ、ブラス・バンド、吹奏楽など、多様なジャンルの音楽で用いられてきました。本アルバムでは、新機構としてバルブが開発されるなど、金管楽器が華々しい発展を迎えた19世紀フランスの作品を取り上げています。
19世紀フランスでは、ベルリオーズを始め、トマ、グノー、サン=サーンスなどの偉大な作曲家たちが、オーケストラ作品で積極的に用いるなど、トロンボーンへの評価が高まっていました。また、名門パリ国立高等音楽院のトロンボーン科が創設されたことにより、多くの同時代の作曲家が、トロンボーンの技術的および表現力を実証するために、フォルテピアノ、ピアノ、またはオルガンの伴奏を伴うトロンボーンのための独奏作品を多く残すなど、今日に至る重要なレパートリーが数多く誕生した時代でもあります。
イタリア、ジェノヴァ出身のコンポーザー=トロンボニスト、フランチェスコ・ヴェルツィッロは、ニコロ・パガニーニ音楽院で研鑽を積み、管楽器コンクール「チッタ・ディ・ジェノヴァ」でACADA-ENDAS賞を受賞。トロンボーンの独奏作品に焦点を当て、オルガン、ピアノ、室内アンサンブルとの共演など、勢力的に活躍しています。楽器の歴史にも精通しており、バロック期、ドイツ・ロマン派などのコピー、または当時のオリジナル楽器を演奏に用いており、本アルバムでも使用楽器に拘りを持ち、19世紀のフランスで作成された楽器でレコーディングに臨んでいます。オリジナル作品から、19世紀末のフランス・ロマン派作品を意識して作曲されたヴェルツィッロの自作の《ポエム》 、しばしば他の楽器でも取り上げられることの多いカルメンのアレンジ版など、随所に拘りが詰め込まれた好企画です。
(東京エムプラス)
『19世紀フランス・ロマン派のトロンボーンのための作品集』
【曲目】
エドヴィージュ・クレティアン(1859-1944):グランソロ ~ トロンボーンとピアノのためのアンダンテとアレグロ
ジュール・コーエン(1835-1901):アンダンティーノ
サミュエル・ルソー(1853-1904):トロンボーンのためのピアノ伴奏付き協奏的小品
ベルリオーズ:葬送と勝利の大交響曲より 《追悼の辞》
アドリアン・バルト(1828-1898):演奏会用独奏曲
アンブロワーズ・トマ(1811-1896):ハムレットからの独奏曲
ジュール・ドゥメルスマン(1833-1866):序奏とポロネーズ Op.30
フランチェスコ・ヴェルツィッロ(b.1966):ポエム
ビゼー:歌劇 《カルメン》 より ハバネラ、ジプシーの踊り
【演奏】
フランチェスコ・ヴェルツィッロ(トロンボーン)
ダニーロ・デッレピアーネ(フォルテピアノ)
※使用楽器:
・トロンボーン:JOSEPH GRAS - PARIS/KARL MÖNNICH-ERLBACH “KAROLUS” MODEL(序奏とポロネーズで使用)
・フォルテピアノ:プレイエル1842
【録音】
2022年5月-6月、サラ・デッレ・フェステ(ジェノヴァ、イタリア)、D&Dスタジオ(ジェノヴァ、イタリア)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年11月09日 00:00