「名作コンシェルジュ」掲載!冨田勲 ホルスト:組曲「惑星」
2025年1月12日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
電子音で奏でる管弦楽 音の求道者、妥協なく (鈴木淳史氏評)
国内盤CD
ソニー「ベスト・クラシック100極」の中の1枚、1976年に冨田勲がシンセサイザーで演奏、録音したホルスト作曲の組曲「惑星」が2025年1月12日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。
鈴木氏は「1980年代に入った頃、シンセサイザーという楽器が注目を浴びた」「これまでの楽器に替わって、すべてがシンセサイザーになっていくのではないか、と幼心に思ったほどである」と書き出し、当時のブームを紹介。このCDは「この楽器のパイオニアであり、大規模なオーケストラ作品を電子音のみで奏でた冨田勲の音楽」であり「ホルストの組曲『惑星』をアレンジした」アルバムである。原曲は「第1次世界大戦の不安な時代に占星術やオカルティズムをベースに作られた管弦楽」だが、冨田は「完全にスペース・ファンタジーとして仕上げている。すでに人類が月に到達するという宇宙時代に突入していたのだ」と解説。そのアレンジの特徴は「なんといっても、複数のサウンドを組み合わせるときの意外性のセンスが抜群なのである。つい笑ってしまわんばかりのキッチュさも伴いつつ」とし、「この楽器を使うことで、未知の音色や表現、音の広がりを作り出そうとしたのだ。音の求道者としての妥協のない音楽は、まったく古びることがない」と結んでいます。
(タワーレコード)
ベスト・クラシック100極[97]
それまでは一部の人にしか知られていなかったシンセサイザーの名を多くの音楽愛好家に認知させ、その可能性を切り拓いたパイオニア、冨田勲によるRCA第4作となったアルバム。その目は無限の宇宙に向けられ、未知数の魅力を秘めたシンセサイザーにとって格好の舞台であることを示しました。従来のステレオをさらに発展させた特殊効果で、リスナーが宇宙空間に放り出されるような驚異的な音体験も可能にしたサウンド・デザインが、LP発売当時から大きな話題を呼んだものです。これぞまさしく「トミタ・スペース・サウンド」の代表作ととして不滅の価値を持つ1枚です。
(ソニーミュージック)
【曲目】
ホルスト=冨田:惑星
(1)火星
(2)金星
(3)水星
(4)木星~土星
(5)天王星~海王星
冨田 勲(シンセサイザー)
録音:1976年
24ビット・マスタリング
カテゴリ : Classical
掲載: 2025年01月14日 18:00