注目アイテム詳細

クレマン・ジョフロワ~18世紀中盤のフランス鍵盤芸術

18世紀中盤のフランス鍵盤芸術

バロックと古典派の間、爛熟のクラヴサン芸術をヴェルサイユの王宮で!

先代の太陽王ルイ14世ほどではないにせよ、実に60年近くもフランス王の座を守ったルイ15世。その治世(1715-1774)には17世紀以来のフランス様式も根強く人々を魅了し続けた一方で、太陽王のもとでは考えられなかったほど諸外国の音楽文化がフランスに流入、ひときわ華やかなロココの響きが王室やパリの人々を魅了しました。王は音楽にあまり関心を示さなかったものの、レグザンスカ王妃やポンパドゥール夫人、王女たちをはじめ周囲には一流作曲家と親しく交流し感性を豊かに育んだ音楽愛好の女性たちが多く、人々が室内で奏でたクラヴサンのための独奏曲も次々と世に送り出されました。伝統的なフランス様式とイタリアやドイツなど諸外国の様式の間で、折々の流行を先導していったクラヴサン作曲家たちの名品群は、ウィーン古典派風の音楽が定着してゆく前の、驚くほど豊かで独特な音楽世界を垣間見せてくれます。

近年フランス古楽界で多忙な活躍をみせ、とりわけ声楽作品の通奏低音奏者としても経験豊かなクレマン・ジョフロワは、大御所ラモーの出世作2集から名匠デュフリによる1768年の曲集まで幅広い年代を視野に入れ、ルイ15世時代の音楽文化の広がりをクラヴサン一つで辿れるプログラムを厳選。この時代の銘器をモデルとする素晴らしい再現楽器をヴェルサイユ宮殿の音響空間で奏で、絶妙なタッチが快い機微細やかな演奏で各作品の魅力をじっくり伝えます。ラモー「一つ目巨人たち」やロワイエ「スキタイ人の行進」といった有名作のほか、2019年に新発見され未だ謎も多いデュビュイソン作曲による1732年出版の曲集や、競合録音が殆どないベルナール・デュ・ビュリの1737年の曲集など稀少な作品が多く収録されている点も見逃せません。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
1. ガブリエル・デュビュイソン(1716頃-1754): Prelude プレリュード
2. ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764): La Dauphine 王太子妃
3. ベルナール・ド・ビュリ(1720-1785):Sarabande, La *** ou Les Sentimens サラバンド「***氏、または心情の機微」
4. ド・ビュリ: Menuet 1, Zephir & Menuet 2, Flore ムニュエ(メヌエット)1「西風の精」~ムニュエ2「花の精」
5. クロード・バルバストル(1725-1799): Gavottes de Mr. Rebel ルベル氏のガヴォット
6. シャルル・ノブレ(1715-1769): Allemande アルマンド
7. ジャック・デュフリ(1715-1789): La Pothouin ラ・ポトウアン
8. デュフリ: La De Vaucanson ラ・ド・ヴォカンソン
9. デュフリ: Rondeau [de la Premiere suite] ロンド
10. ジャン=バティスト・フォルクレ(1699-1782): La Angrave ラ・アングラーヴ
11. ジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ(1703-1755): L'Aimable 愛らしさ
12. デュフリ: La Du Buq ラ・デュ・ビュク
13. ロワイエ: La marche des Scythes スキタイ人の行進
14. ミシェル・コレット(1707-1795): Les Etoiles 星々
15. デュフリ: La Damanzy ラ・ダマンジ
16. ラモー: Musette en rondeau ロンド形式のミュゼット
17. ラモー: Tambourin タンブラン
18. ド・ビュリ: Chaconne シャコンヌ
19. ラモー: Les Tendres Plaintes 優しい嘆き
20. ラモー: Les Cyclopes 一つ目巨人たち
21. バルバストル: Contredanse de Pygmalion [de Jean-Philippe Rameau] ラモー《ピグマリオン》のコントルダンス

【演奏】
クレマン・ジョフロワ(クラヴサン〔チェンバロ〕)
使用楽器:パリのジャン=クロード・グージョン1749年製作モデル(パリ楽器博物館所蔵)に基づくジャン=フランソワ・ショドゥルジュ製作の再現楽器

【録音】
2022年10月16-19日 ヴェルサイユ宮殿プチ・トリアノン、フランス

収録時間:77分

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年04月12日 00:00