PJ Harvey(PJハーヴェイ)|新しい始まりへの感覚に満ちた7年振り10枚目のアルバム『I Inside the Old Year Dying』
グラミー賞にもノミネートされた『The Hope Six Demolition Project』以来となるPJ Harveyのニュー・アルバム『I Inside the Old Year Dying』が、Partisan Recordsよりリリースされる。
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アルバムのプロデュースは、長年のコラボレーターであるFloodとJohn Parishが手掛けた。確かに、Harveyは、そのキャリアを通じて、それぞれの段階で自身を新しい場所に連れて行くことを常に保証してきた。しかし、彼女の新曲は、彼女自身の基準からみても、大胆で独創的である。新しい始まりへの感覚に満ちており、最も魅力的な方法で、その創造的な大胆さと、開放的で心地よい感覚を兼ね備えている。
「休息空間、慰め、快適さ、癒し。今の時代にはタイムリーだと思う」とHarveyは新曲群について語る。『I Inside the Old Year Dying』の物語は6年前に遡り、2017年の前作のツアーの終了と、その直後のHarveyの心境に至る。彼女が痛感したのは、アルバムとツアーの終わりなきサイクルのどこかで、音楽そのものとのつながりを失っていたことであり、その実感は言葉にならないほど悩ましいものだった。しかし、2つのことが、彼女を新しい歌や音楽、サウンドの方向性へと向かわせるようになった。ひとつは、『The Hope Six Demolition Project』期のシカゴで、アーティストで映画監督のSteve McQueenに会ったときの記憶だ。彼からのアドバイスは、「言葉、イメージ、音楽について自分が好きなものを思い出し、『アルバム』を書くという概念を捨て、この3つの情熱に集中し、プレイしなさい」というものだった。もう一つは、シンプルに「演奏する」という行為だった。ギターを手にしたり、ピアノの前に座ってNina SimoneやBob Dylanといったアーティストのお気に入りの曲をプレイすることで、音楽という芸術に対する情熱を再確認することができたのだ。Harveyが新曲を書き始めたとき、アルバム、ツアー、アルバム、ツアーのサイクルに戻る最初のステップというよりも、音楽自身のために音楽を作るという解放感があった。彼女は、過去にサウンドトラックや劇場での音楽活動で感じた創造的な自由の感覚を引き出していた。同時に、彼女の視点は、『Let England Shake』や『The Hope Six Demolition Project』の大きなテーマ(戦争、政治、世界を見つめる)から、より親密で人間的なものへと変化していた。「(新曲は)3週間くらいで私の中から出てきた。スタジオはライヴ演奏用に設置され、私たちはそれしかしなかった」とHarveyは語る。
『I Inside the Old Year Dying』が非常に手触りの良い、人間的なレコードであるとすれば、それは収録されているほぼすべてがインプロヴィゼーションに根ざしているためでもある。この作品には、何か深い高揚感と救いが存在する。「アルバムは、探し求めること、つまり初恋の激しさ、そして意味を求めることをテーマにしていると思う。でも、このアルバムから感じられるのは、愛だ。それが、この作品をとても歓迎すべきもの、つまりオープンなものにしていると思う」とHarveyは語る。
■収録曲
1. Prayer at the Gate
2. Autumn Term
3. Lwonesome Tonight
4. Seem an I
5. The Nether-edge
6. I Inside the Old Year Dying
7. All Souls
8. A Child’s Question, August
9. I Inside the Old I Dying
10. August
11. A Child’s Question, July
12. A Noiseless Noise
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掲載: 2023年05月11日 13:24