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アンサンブル・ボンヌ・コルドによる18世紀ポルトガルの知られざる作曲家ペレイラ・ダ・コスタ:合奏協奏曲集


[Outhere Music 公式チャンネルより]

18世紀ポルトガルの謎多き作曲家、ペレイラ・ダ・コスタ

バッハやヘンデルより12歳年下(タルティーニやクヴァンツらと同世代)で、ポルトガル領マデイラ島の中心都市フンシャルの大聖堂で楽長をしていた謎多き作曲家ペレイラ・ダ・コスタによる合奏協奏曲集。

作曲家の生涯についてはほとんど判っていませんが、ここに収録されている作品は1741年、歴史的にポルトガルと縁が深かった英国の王都ロンドンで刊行された曲集からとられています。

ヴァイオリン2挺とチェロを独奏楽器群として弦楽合奏と対置させた合奏協奏曲形式は、1714年に出版されたコレッリの先例に続いて英国では根強い人気を保っており、ペレイラ・ダ・コスタの作例もその形式を踏襲していますが、均整のとれたコレッリ流のバランス感覚に貫かれていながら野趣あふれる音使いも随所で聴かれ、演奏の細やかさとあいまって作曲者の知名度の低さとは無縁の音楽的興奮が詰まっており興趣が尽きません。

1738年に同じロンドンで刊行されていたスペイン宮廷の名手ドメニコ・スカルラッティの鍵盤ソナタやその翌年に出たヘンデルの合奏協奏曲集Op.6、スカルラッティのソナタ群を下敷きにして1744年に刊行されたエイヴィソンの合奏協奏曲集などと聴き比べればさらに興味深いことでしょう。

近年ヨーロッパ各地の古楽拠点への進出で躍進めざましいポルトガルの名手たちを中心とするアンサンブル・ボンヌ・コルドは、独奏楽器群の他は各パート一人ずつの弦楽編成と撥弦楽器を添えた通奏低音陣で、全体に室内楽的な緊密さを生かしたスリリングな名演に仕上がっています。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
アントニオ・ペレイラ・ダ・コスタ(1697頃-1770):合奏協奏曲集Op.1(1741)より
1-5. 協奏曲第7番 ヘ長調
6-11. 協奏曲 第8番 ハ短調
12-17. 協奏曲 第9番 イ長調
18-23. 協奏曲 第6番 ロ短調
24-28. 協奏曲 第5番 ト短調
29-33. 協奏曲 第10番 ハ長調

【演奏】
アンサンブル・ボンヌ・コルド(古楽器使用)
サラ・デコルソ、ダイアナ・リー(ヴァイオリン独奏)
ディアナ・ヴィナグレ(チェロ独奏、芸術監督)
フェルナンド・ミゲル・ジャロト(オルガン、チェンバロ、楽譜校訂)

【録音】
2021年10月25-28日 メニーノ・デウス教会、リスボン

収録時間: 70分

アンサンブル・ボンヌ・コルド

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年05月16日 00:00