ウィリアム・ヨン(p)ウリューピン&ベルリン放送響『ブーランジェ、フォーレ、アーン』~ベル・エポック時代のパリの名曲集
アーンとフォーレのダブル・アニヴァーサリー・リリース!ウィリアム・ヨンが「ベル・エポック」時代のパリの音楽へご招待。
ウィリアム・ヨンが、ベルリン放送の協力のもとソニー・クラシカルよりリリースする初のオーケストラ・アルバムで、フォーレ、アーン、ナディア・ブーランジェによる珍しい協奏曲的なレパートリーを収録しています。このアルバムをお聴きになると、世紀末パリの活気あふれる雰囲気を体感し、ベル・エポックのサロンへと招き入れられるような、実に気の利いた音楽旅行に出るようです。これらの作品はいわばソリストとオーケストラの間で交わされる音楽の対話による物語。明瞭に表現された輝き、繊細な解釈、そして高度な技巧により、ヨンはベルリン放送交響楽団および指揮者のヴァレンティン・ウリューピンとともに、これらの作品に独自の個性を与えています。
アーンの生誕150年記念としては、演奏されることの少ないピアノ協奏曲が収録されています。この曲は1930年頃に作曲されたものの、19世紀の薫り高く美しい古風な音楽。アーンは歌手兼ピアニストとしてパリのサロンで大人気を博し、小説家マルセル・プルーストとも親交があり、特にその歌曲で知られています。そのうちの2曲「クロリスに」と「恍惚のとき」は、ヨン自身がソロピアノ用に編曲したもの。「私にとってアーンの音楽は、哀愁、軽やかさ、優雅さを備えたベル・エポックの精神を体現したもの。爽やかでありつつ、美しい時間の終わりを思い出させる夏の終わりのそよ風のようです」 と語っています。
さらにこのアルバムは、没後100 年を迎える作曲家フォーレへのオマージュでもあります。アーンの師であり、ナディア・ブーランジェの後援者として、彼は作曲だけでなく、若い後継者たちへの影響でもフランス音楽史に足跡を残しました。リストが演奏不可能と評した「バラード」に加えて、「幻想曲」を収録。さらにヨンによるフォーレの有名な歌曲「夢のあとに」のピアノ用編曲も含まれています。
ナディア・ブーランジェの1912年の「幻想的変奏曲」は貴重な世界初演録音。この作品は、ブーランジェが音楽パートナーのラウル・プーニョのために書きながら未出版だった作品で、欠落していたページが補完され最近になってようやく再出版さました。ヨンは、この作品全体を新たな時代に導き、フランク、ワーグナー、ストラヴィンスキーの音世界のエコーを持つカラフルで対照的な作品を現代の聴衆に近づけようとしているかのようです。
(ソニーミュージック・ジャパン)
収録内容
1. レイナルド・アーン:ピアノ協奏曲 ホ長調
2. ガブリエル・フォーレ:バラード 嬰ヘ長調 Op.19 N 56(ピアノと管弦楽版)
3. レイナルド・アーン:クロリスに(ウィリアム・ヨンによるピアノ独奏版)
4. レイナルド・アーン:恍惚のとき(ウィリアム・ヨンによるピアノ独奏版)
5. ナディア・ブーランジェ:ピアノと管弦楽のための幻想的変奏曲
6. ガブリエル・フォーレ:幻想曲 Op.111
7. ガブリエル・フォーレ:夢のあとに Op.7-1(ウィリアム・ヨンによるピアノ独奏版)
【演奏】
ウィリアム・ヨン(ピアノ)
ベルリン放送交響楽団(1,2,5,6)
ヴァレンティン・ウリューピン(指揮:1,2,5,6)
【録音】
2023年1月3-6日、ベルリン、ベルリン放送会館ザール1
2023年10月7日、ドイツ、エルマウ城
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年12月08日 12:00