ヴィルデ・フラング/エルガー:ヴァイオリン協奏曲~共演はティチアーティ&ベルリン・ドイツ交響楽団
ヴィルデ・フラングが、エルガーの作品内容を汲み取り、
並外れた美しさを引き出した、叙情性に満ちた演奏
ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き
日本語解説書には、イギリス音楽の研究音楽学者ルイス・フォアマンによる作品解説の日本語訳、山崎浩太郎氏による新規書下ろし解説を掲載
エルガーのヴァイオリン協奏曲は、独特の情熱によるノスタルジックなもので、ロマン派後期の偉大な協奏曲の1つです。この協奏曲の1910年初演時ではロンドン交響楽団と、英国のソリストではなく、ウィーンで生まれの名ヴァイオリニストの1人であるフリッツ・クライスラーが演奏しました。クライスラーは「エルガーのメロディ、オーケストレーション、調和、壮大さ、それは素晴らしい。そしてすべて純粋で影響を受けていない音楽」という見解を持って作品を依頼しましたが、クライスラーはあまりこの作品を好まなかったのか、録音を残していません。自身がヴァイオリニストだったエルガーは、ロンドン交響楽団と親密な関係にあり、1932年にエルガーは当時若干16歳だったユーディ・メニューインをソリストに迎え、伝説的な名演奏となった「ヴァイオリン協奏曲」を、アビイロード・スタジオでの録音のために指揮しました。
ヴィルデ・フラングは、この協奏曲を知ったのは実はかなり遅かったのですが、この作品の形式は音楽として非常に壮大なものであり、ヴァイオリン協奏曲というよりは交響曲的なスケールであると感じ、録音を願望していました。技巧面は勿論、音色と曲想が包含する内面の表現の妙が、特に優れていないと、繊細に描き出してゆくことがかなり難しい曲ですが、だからこそ、この協奏曲を演奏することに大きな喜びを感じながら、エルガー直伝による作品理解を汲み取り、大きな歌わせ方と表現意欲に満ちた演奏になっています。ヴィルデ・フラングこの録音前にコンサートを行っていますが、その演奏に対する評価は素晴らしく「エルガーの並外れた美しさを引き出した素晴らしい演奏」と、高い評価を得ています。共演は、ロビン・ティチアーティ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団によるもので、ヴァイオリン・ソロとオーケストラを見事に共存させ、高貴さ、ニュアンス、叙情性に満ちた演奏が印象的。
このアルバムには、トーマス・ホッペがピアノとの共演による、エルガーの中でもあまり演奏されない作品「カリッシマ」の、ヴァイオリンとピアノ版も収録されています。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
【曲目】
エドワード・エルガー (1857-1934)
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.61
Violin Concerto in B minor, Op.61
1. Allegro
2. Andante
3. Allegro Molto
4 カリッシマ(ヴァイオリンとピアノのための)
Carissima for violin and piano
【演奏】
ヴィルデ・フラング(ヴァイオリン)
Vilde Frang, violin
トーマス・ホッペ(ピアノ:4)
Thomas Hoppe, piano,
ベルリン・ドイツ交響楽団(1-3)
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
ロビン・ティチアーティ(指揮:1-3)
Robin Ticciati, conductor
【録音】
2024年2月12-13日、3月12日、ベルリン、ダーレム、イエス=キリスト教会(1-3)
2024年5月21日、ベルリン、テルデックス・スタジオ(4)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2024年07月19日 12:00