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2025年で「昭和100年」!元号の意味をおさらいして昭和に思いを馳せよう

昭和全史

昭和元年の1925年から数えると、2025年は「昭和100年」となる節目の年。各地でイベントの開催が予定され、政府も記念事業の検討をするなど色々な場所で盛り上がりをみせそうだ。日本の元号は「大化」に始まり、令和までに248もの元号が使われている。その時代を象徴する元号とは、いったいどのような願いを込めて制定されているのだろうか?

●激動の時代「昭和」を一気に振り返ることができる「昭和全史」


最も長い元号である「昭和」。由来は中国の古典にある「百姓“昭”明(ひゃくせいしょうめい)、協“和”万邦(きょうわばんぽう)」という言葉にあり、“人々の平和と社会が繁栄していく”という願いを込めて名づけられた。
続く平成は、「史紀」に記された「内平外成(内平かに外成る)」と、「書経」の「地平天成(地平かに天成る)」が出典元。“日本も海外も平和な時代になるように”との希望が託されている。現在使われている「令和」は、「万葉集」の序文にある一節から「令」と「和」の2文字をとって制定。“人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ”という思いが込められている。
敗戦と復興の両方を経験した「昭和」は、まさに元号の意味そのものの時代だったと言えるだろう。そんな激動の時代を一気に振り返ることができるのが、古川隆久の著書「昭和全史」。政治・事件史はもちろん、日本を盛り上げたスポーツや芸能に関しても知ることができる。どの出来事も詳細に記されており、初めて知る内容もあれば、忘れかけていた記憶が鮮明に呼び起こされるものもあるに違いない。
たとえば高度経済成長を振り返る項目では、全国の鉄道網を支えてきた蒸気機関車が電車やディーゼルカーに置き換わった点に言及。また食生活では洋食・洋菓子を普段から食べるようになるなど、生活様式そのものががらりと華やかに変わった様子がうかがえる。なぜ驚異的な成長が実現したのか、その仕組みも記されており、当時は気に留めていなかった昭和という時代の裏側を知れるのが面白い。
他にも宮崎駿監督のアニメの登場や東京ディズニーランドの開業など、現代の生活に浸透している出来事の紹介もあり、昭和生まれでなくても十分に楽しめる内容。さまざまな出来事が全145項目にまとめてあり、気になった項目だけでも気軽に読むことができる。「昭和100年」を目前にした年の瀬に、昭和の歩みを振り返ってみてはいかがだろうか。

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2024年12月24日 11:30