SNAIL RAMP
前作『FRESH BRASH OLD MAN』から2年。
待望の新作『GRAVITY』は、3分(以内)勝負10ラウンドの、
これまた明快ロックンロール・マッチ!
ロックンロールは簡潔にして明快でなければならない。これはあきらかに極端な物言いではあるけれど、米国の伝説的ロック評論家、ポール・ウィリアムスも著書「ロックンロール・ベスト100シングル」で同様の見解を述べており、そのセレクションに〈7インチの45回転盤として発表されたもの〉という基準を設けているのは大変に興味深い。なぜなら、それはつまり、ロックンロールには(収録時間に限りがある45回転盤特有の)生々しい音響が大きな作用を及ぼしているということでもあるからだ。
さて、本題は前作『FRESH BRASH OLD MAN』から2年ぶりとなるSNAIL RAMPのニュー・アルバム『GRAVITY』についてである。全10曲で収録時間が25分52秒の本作は、簡潔にして明快なロックンロール・アルバムであるが、その登場になぜこれほどまでのインターヴァルを必要としたのだろうか?
「<ライヴをやるためのアルバム>っていう意味合いが先にあって。僕らの持ち曲には限りがあるから、同じ曲で何年もやるわけにもいかないし、聴き手としても飽きてきちゃう。そこで<新たな、旬なものを作りたい>ってなって、それが曲になって、その曲が集まったものが作品、っていうそういう解釈です」(AKIO、ギター/ヴォーカル)。
前作リリース以降、ライヴ中心の活動をおこなってきた彼らだが、現在に至るまでの2年間という時間は、それだけ飽きずにライヴを続けることができたというアルバム(『FRESH BRASH OLD MAN』)の尋常ならざる強度を意味している。今作『GRAVITY』もそれを踏まえたうえでの作品作りを前提にしつつ、そのほとんどが3分以下という、驚くほどにコンパクトな楽曲がずらりと並ぶ。
「4分の壁は越えらんないねぇ(笑)、長い曲って書くのが面倒臭いしさ。5分、6分の曲って、飽きずにずっとスリリングに聴かせてくれるんだったらいいけど、あきらかに退屈なものが多いからね。イントロだけで1分近くあったりすると<まだかよ! 笑わせようとしてんのか!>ってニヤニヤしちゃうもん」(TAKEMURA、ベース/ヴォーカル)。
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