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インタビュー

SNAIL RAMP(2)

  では、このアルバムをスリリングに聴かせる秘密はどこに隠されているのか?

「個人的には、聴かせる音は太いものっていうことかな。このアルバムは2か月で録ったんだけど、その大半は音決めで。EQ(イコライザー)をかけるのがイヤだったから、卓のフェイダーは全部の音を一直線にして、その代わり、マイクを1ミリ単位で動かすっていう。だから、ツボにハマんなかったら帰りたくなりますよ。でもね、うちらは3人だから、鳴る音が一個でもダメだったら終わりなんです」(AKIO)。

「ドラムはマイクをたくさん立てるし、スネアのチューニングもあるじゃないですか。あと、叩き方も一定にキープしなきゃいけないし……」(ISHIMARU、ドラムス)。

そのシンプルさに反して、気の遠くなるようなプロセスを経た『GRAVITY』は、冒頭でも述べた<音響が与えるリアリズム>と直結しているように思えるが、そのストイックな哲学はAIRとマイナーリーグを迎えた2曲にも例外なく反映されている。

「この2曲は<今度いっしょにやろう!>っていう口約束なく、自分たちだけでやり始めたら、途中で直感的にこの2組の力をどうしても借りたくなったんです。だからっていう表記は、その直感的な必然性を表しているっていうか」(AKIO)。

どうだろう? こうした発言を通じて、簡潔にして明快なロックンロールが実に深遠な世界であること、それをアルバム・ジャケットでも示唆していることがおわかりいただけるだろうか?

「ウチら、根は不真面目なんですけど、想像力、集中力、判断力を楽しむためにはそういうところも大事ですよね」(AKIO)。

「だから、事前に言っておきますけど、次のアルバムは当分出ません!(笑)」(TAKEMURA)。

SNAIL RAMPのアルバムを紹介。左から、96年のファースト『A PIZZA ALREADY』(Phalanx)、97年のミニ『FLATFISH COMES!』、98年のセカンド『Mr.GOOD MORNING』(共にSCHOOL BUS)、2000年のサード『FRESH BRASH OLD WOMAN』(ONE・TWO SCHOOL)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月09日 23:00

更新: 2003年03月07日 16:24

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/小野田雄

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