インタビュー

バッド・レリジョンとともに育ったインディー・レーベル〈エピタフ〉、その偉大なる歴史を駆け足で

 ロサンゼルスはサンセット・ブルヴァードに佇む、古くてかわいいビルディング。そこにあるのが、81年にバッド・レリジョン自身のシングルをリリースするために設立されたレーベル〈エピタフ〉。そこから発せられるサウンドはいつも刺激的で魅力的だ。バッド・レリジョンが活動を再開し、名作『Suffer』を発表した88年には、レーベルの抱えるバンドも相当な数になっていた。

94年にはオフスプリングのサード・アルバム『Smash』が全世界で1,200万枚のセールスを記録し、レーベル知名度も世界レベルに。しかしながら97年にはバッド・レリジョンに次いでオフスプリングもエピタフを離れた。その後はランシドやNOFXが大活躍し、レーベルも東海岸のH2Oやアグノスティック・フロントらと契約を交わした。

その一方では、サウンドに応じた、より専門的なサブ・レーベルを設立。ランシドのティム・アームストロングが中心となって運営するヘルキャットはそのひとつだ。自身の作品をそこからリリースしつつ、先日の来日公演も超大盛況に終わったドロップキック・マーフィーズを発掘したりもしている。またブルーズ・レーベル、ファット・ ポッサムと提携、RLバーンサイドやボブログ3世などもリリース。ジャンルにとらわれない幅の広さも魅力だ。

エピタフは現在のミュージック・シーンには不可欠の存在といえるだろう。バッド・レリジョンがエピタフに復帰し、エピタフの社長職にあったブレット・ガーヴィッツもバンドに復帰したいま、改めてこのレーベルの存在価値に気付かされるのだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月16日 16:00

更新: 2003年03月06日 19:38

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/田中 拓宏

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