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インタビュー

w-inds.

歌とダンスとキャラクター、そのすべてがティーン・ポップの標準を超える
オトコのコ×3=w-inds.!

 中性的で透明感のあるハイトーン・ヴォイスを聴かせる“Forever Memories”で 登場したw-inds.。それは良くも悪くもティーン・ポップの常道を行くモノだった。 それがどうだろう。サード・シングル“Paradox”では、ヴォーカルに蒼い哀愁すら 漂っているのだ。

「(中性的と)以前はよく言われました。自分ではどう聴いても〈男だ!〉って 思うんですけど(笑)。声が変わったから歌い方も変えないとダメだったんです」( 慶太)。

さすが育ち盛り。同時に、その“Paradox”には音楽的な刺激も感じたのだ。 多くのティーンズ・グループが、似たり寄ったりのユニゾンで無難な歌謡ポップに終 始するなか、いわゆるタテノリのR&Bポップと呼びたいようなクセのあるトラッ クに爽やかすぎるヴォーカルを見事に乗せていたのだから。その少し突っ込んだサウ ンドへの適応性は、初のアルバム『w-inds.~1st message~』にも発見できる。てなわけで、レコーディングも大変だったと思うけど?

「そうですね。実力もついたと思います。声の出し方とかノリ方とか、いろいろ 教えてもらって」(慶太)。

「でも、難しかった。キーが高いところとか、出してるつもりなんだけど出ない 、みたいな」(涼平)。

「いろんな意味で勉強になりました。やったことなかったラップとか」(龍一) 。

そう、3人はいくつかの曲ではラップにもチャレンジしている。

「うーん……微妙でした(笑)。音にハメていけばいい歌と、微妙にズラしてフ レーズ単位でノリをつくるラップとではぜんぜん違うんですよね。聴くのとやってみ るのとはまったく違った」(慶太)。

では、3人の普段の音楽の趣味は?

「最近、僕のなかでR&Bが目覚めてるんですよ。ちょっといいなと思って、 アルバムとかいっぱい買って聴いてます。ほかにはエリック・クラプトンも好きで、 ギターを真似たり。ぜんぜん練習中ですけど」(龍一)。

「最近ハマってるのはブリトニー・スピアーズ。カッコいいですよね。DA PUMP さんの“Corazon”と交互に聴いてます(笑)」(涼平)。

「落ち着く感じの曲が好きですね、洋楽も邦楽も。ゴスペラーズとかホイットニ ー・ヒューストン、マライア・キャリー、イン・シンク……ホントいろいろ聴いてま すね(笑)」(慶太)。

ここで奇しくも名前が挙がったイン・シンクやバックストリート・ボーイズ的 な、良い意味でのイナタさもアルバム全体に感じられるけど?

「実は“Love You Anymore”のイントロがイン・シンクっぽいんです(笑)。僕 はいつもイン・シンクを聴いてるからわかるけど、似てるんですよ(笑)」(慶太) 。

各人の嗜好以上にキャラクターも違っていて、慶太のマイペースっぷり、涼平 のシャイな佇まいにもシビレっぱなしだったのだが、最高だったのが……。

「龍一くんはすぐ泣く(笑)。ゲームでも、ちょっとチョッカイだしても泣くし 」(慶太)。

「ちょっと感動的な場面があったりするとすぐ泣きます」(龍一)。

3人はいつもこういう感じなのだとか。普段から学校もクラスもいっしょだか らだろうか、いい意味で仕事っぽくない雰囲気がする。その間も話は続く。

「龍一は寝ないでパソコンとかしてて。そろそろヤバイですよ」(慶太)。

「そんなことないって! そういう話するとホントっぽいからやめて!」(龍一) 。

そんな好奇心と感受性の強さが各々の音楽性を育てていってる真っ最中なので しょう。この先がますます楽しみな3人の今後の目標を問うと、真剣な表情で慶太が 一言。

「個性を出すこと。誰になりたいっていうんじゃなく、〈個性〉を出したいです 」。

PROFILE

2000年、プロダクション主催のオーディションをきっかけに結成。同年11月ごろか ら代々木公園、渋谷界隈で毎週ストリート・パフォーマンスを披露、大きな話題を集 めていく。2001年3月にシングル“ForeverMemories”でデビュー。 ヴォーカル、ダンスなどストリートで磨かれた実力が遺憾なく発揮された楽曲は、多方面から高い評価を受ける。7月にはセカンド・シングル“Feel The Fate”、10月にはサード・シングル“Paradox”を発表。このたび、3枚のシングル曲も含む待望のファースト・アルバム『w-inds.~1st message~』がリリースされたばかり。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月16日 15:00

更新: 2003年03月06日 19:40

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/高橋 玲子