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インタビュー

ゾンビに負けない! ホラー・スピリットを受け継ぐ末裔たち

 御存知の方も多いと思うが、ロブ・ゾンビはまず映画少年だった。しかもとびきりのホラー映画好き。バンド名も映画史上初のホラー映画から採られている。つまり、彼のホラー好きは単なるおのれをマーチャンダイズするための方便(だけ)ではなく、ゾンビ少年の夢の実現でもあるのだ。このホラーと音楽との接近は、ロック大国であると同時にホラー大国であるアメリカにとってはお家芸のようなものでもある。ロブが師と仰ぐオジー〈鶏の首囓り〉オズボーンも、アリス〈蛇のネックレス〉クーパーも、その一族。そしてその末裔たちも、昼夜を問わず盛んな活動を続けている。

まずロブの好敵手といえるのがマリリン・マンソン。ロブがまさに、映画「ゾンビ」的ド迫力ホラーで迫るなら、マリリン・マンソンは「エルム街の悪夢」のようなニューロティックな恐ろしさ。便所の窓に張り付いて離れないようなおぞましさがある。

そして、いまやそのマンソンを喰う勢いで、ヘヴィーロック・シーンをのし上がっているスリップノットは「悪魔のいけにえ」のブッチャーマンを思わせる覆面プレイ&凶暴さ。

またマイク・パットンは、彼のユニット、ファントマスの新作で、ホラー映画のテーマをハードコア・カヴァーする快挙を達成したばかり。そのアホ(ラー)な雄叫びはまさに「スクリーム」(そのまま)。

意外と見落としがちなポスト・ロック・シーン。そのサウンドは、たいていどんよりしているが、なかでもゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー!のサウンドは「ブレアウイッチ・プロジェクト」的不条理さと肝試し感覚抜群。バンド名の最後につく〈!〉は絶叫なのかっ! そんなわけで、一日も早くロブ・ゾンビ監督作〈1,000人の死体の家〉を拝みたい今日このごろなのでした。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月30日 18:00

更新: 2003年03月03日 21:56

ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)

文/村尾 泰郎

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