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インタビュー

Zoobombs

ズボンズが掲げる永遠のテーマをさらに突きつめ、そして突き抜けた『LOVE IS FUNKY』!!


 ズボンズ、2年ぶりの新作『LOVE IS FUNKY』。一聴して気付くのは〈4 on the floor〉、すなわち4つ打ちのハウス・ビートが導入され、強靭で多層的なリズムがさらに強化されていることだ。

「多分、誰にとっても〈4 on the floor〉のビートって、なにも新しいことないし、単なる内輪のジョークみたいなもんだったんだ。〈やっぱいま、4つ打ちきてるよね~〉みたいな。〈全曲4つ打ちにしてしまえ!〉みたいな。そんなバカなことを本気で言い合ってくうちに、みんなハマッてしまったんだ。そのきっかけは、オレが野田努氏の〈ブラック・マシーン・ミュージック〉を読んだとこからきたんだと思う」(ドン・マツオ、ヴォーカル/ギター)。

 たとえば、1曲目の“Funky Movin'”。ここには4つ打ち、JB's的なギター、ハービー・ハンコックを思わせるキーボード、そしてローリング・ストーンズの面影など、さまざまな音楽要素が見え隠れしている。このゴッタ煮感覚の強烈なグルーヴを、ドン・マツオはいわゆる〈DJ的な〉耳でミクスチャーしてるんだろうか?

「DJ?……ないなぁ、まるで興味ないねぇ。JBなら好きだけど。オレたちの音楽の作り方は、とにかく全員集まってプレイすること。どこにでもあるようなアイデアとかリフ、リズムの一瞬のキラメキを逃さないことだと思う。もしそれを見つけたらグッと掴んで、さらにもっと良くなるまで、シックリくるまで全員でただやり続けるんだ。でも、もしかしたらこんなやり方って、時代遅れなのかな?」

 いまのズボンズは、日本人も外国人も入り乱れた6人編成で、バンドは恐ろしくファンキーにグルーヴしてる。そうだ、この機会にズボンズの永遠のテーマでもある〈ファンキー〉、その意味するところをぜひ訊いておこう。

「いろいろな意味があるよ。自由、気まま、適当、笑える、興奮、ノンストップ、いい加減、ハイテンション、解放、セックス、楽しい、深い……そのすべてを一言で表わすと〈ファンキー〉ってことになるな。フィーリングだよ」。

 押しまくるだけじゃない。マッタイラ(キーボード)が可憐な声で歌う、スロウでスピリチュアルなラスト・ナンバー“Link Into The Air”まで、込められたエモーションの量は莫大だ。ズボンズは確実に変化して、進化してる。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年06月27日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:27

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/宮本 英夫