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インタビュー

桑田佳祐のひとり歩き、その軌跡

Keisuke Kuwata
TAISHITA(1988)
KUWATA BANDが解散して、サザンが活動休止を解除、“みんなのうた”で復活したすぐ後の88年7月にこのファースト・ソロが発表された。打ち込み曲がアクセントとなりポップ感溢れる仕上がりで、Mr.Children前の小林武史の手によるサウンド・メイキングがアルバムのカラー作りに大きく貢献。桑田のディスコグラフィーで最も青春歌謡の輝きを放っているように思える。懐かしの松竹青春映画の清々しさを彷佛とさせたりするのだ。

フロム イエスタデイ
TAISHITA
80年代半ばからのソロ活動をざっと振り返るベスト・アルバム。KUWATA BANDのスタジオ・シングル曲に、ホール&オーツとの共演が話題となったCMタイアップ曲、そしてSUPER CHIMPAMZEEまで網羅。繊細にして大胆、好き勝手しているようで緻密な作り、そんな桑田音楽の真相がここに見える。ソロだからといって彼の傾向が絞られるはずもなく雑多な世界が展開。90年代以降の楽曲を収めたベスト盤の登場を待望する。

孤独の太陽
TAISHITA(1994)
省けるところは省く、という意図のもとに制作された、フォーク~ブルース色濃い作品。色使いは欧米のあれこれより、日本の70年代フォーク世界をイメージさせるもの。ここにきて決定的にサザンとソロの音楽的道筋が別れたと言える。新作が世に出て評価が変わるかも知れないが、これまで〈異端の産物〉という世評があったのも事実。母親の死が深く結びついているという“月”の誕生によって桑田音楽の幅は著しく広がった。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年10月03日 17:00

更新: 2003年02月13日 10:56

ソース: 『bounce』 236号(2002/9/25)

文/桑原 シロー

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