インタビュー

〈スクリーモ〉──カオティックでエモーショナルな音の響き

現在、欧米の音楽プレスで言われている〈スクリーモ〉なる言葉は、鬼気迫る絶叫&華麗なメロディー飛び交うサウンドを指して使われていることが多い。その先駆けとなったのは間違いなくサースデイである。ただ闇雲に叫ぶだけでは表現の限界があることに気づいた彼らは、地元のハードコア・シーンで培ったエネルギーと、普段から好んで聴いていたPJ・ハーヴェイやU2といったロックの要素を融合させようと試みる。本人たちも公言してるが、よりエモーションに満ちた情熱溢れるサウンドを作り上げるため、とにかく貪欲に音楽性を拡げた結果がこういうスタイルを生んだそう。それはホープスフォール、ビューティフル・ミステイクといったバンドにも言えることで、ゴリゴリのハードコアをやってた連中が揃ってこういう傾向に走っている。日本のハードコア・キッズの間では〈激情系〉として馴染みが深いENVYやTHERE IS A LIGHT NEVER GOES OUTといったバンドも、まさしく〈スクリーモ〉な音をやってる連中だと思う。カオティックでエモーショナルなハードコア・サウンド──それが〈スクリーモ〉の原点なのだ。

▼文中に登場する作品を紹介。


THERE IS A LIGHT NEVER GOES OUTの2000年作『IE』(GREK PLASTIQUE)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年02月20日 15:00

更新: 2003年02月20日 15:54

ソース: 『bounce』 239号(2002/12/25)

文/トリプル永地

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