LABCRY(2)
いま、LABCRYもしくは三沢洋紀のまわりをめぐっている音楽たち
佐野元春 『Heart Beat』 エピック(1981)
『LABCRY』の1曲目“ハートのビート”はまさに!だが、『Heart Beat』のキャッチコピーとしてその帯に記された〈少年のイノセンスと社会の現実との衝突〉とは、三沢洋紀というソングライターのテーマでもあるような。
オフコース 『over』 東芝EMI(1981)
インタヴューのなかでも「あのとき感じたワクワク感を取り戻したかった」との件で触れられていたオフコース。〈ワクワク〉する音色とは、この作品におけるピアノやエレピの音。
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA 『Balance Of Power』 Epic(1986)
『LABCRY』制作中、三沢が愛聴していた一枚。また、今回ミックス・エンジニアとして益子樹(ROVOほか)が携わっているが、三沢いわく「僕らがジョージ・ハリスンとしたら、益子さんはジェフ・リン」。
SLY & THE FAMILY STONE 『Life』 Epic(1971)
「鳴った瞬間にそこでただならぬことが起こっていることを感じさせる」と、彼らの音を理想のひとつとする三沢。さらに「僕が好きなヴォーカルって、セクシーで、男で、ダメダメな感じ。それこそスライ」。
ムーンライダーズ 『モダーン・ミュージック』 クラウン(1979)
三沢個人というよりLABCRYとしての憧れのひとつ。「いっしょにライヴをやったときはおもしろかった。〈この人たち25年以上もやってるんだな〉って感心して。僕らと同じ6人組だし。モンスター・バンド、不思議なバンド」。
THE BEATLES 『The Beatles』 Apple(1968)
「ヴォイス・トレーニングに行ったんですね(笑)。ビートルズ(ジョージ・ハリスン)の“While My Guitar Gently Weeps”とか歌ったりして。なんでできないの?ってことができなくて、なんでできるの?っていうことができるらしい……」。ちなみにジョージのアルバムは、『LABCRY』制作中にもよく聴いていたそうで(それもほぼ全作)。
TYRANNOSAURUS REX 『Unicorn』 A&M(1969)
LABCRYの英詞の作詞も手掛けるgolden syrup loversの長辻利恵と三沢によるサイケデリック・フォーク・ユニット、PONY。近くアルバムがリリースされる予定だそうだが、三沢いわく「ティラノサウルス・レックスをポップ・ミュージックに仕立てたような音」だとか。
曽我部恵一 『瞬間と永遠』 ユニバーサルJ(2003)
最近、ソロ2作を聴いて「いやあ、良かった」と語る三沢。そういえば『LABCRY』のジャケット画は、曽我部作品でもお馴染みの小田島等によるもの。余談だが、三沢はこの日の取材終了後、曽我部を交えた飲みの席に参加し、帰途「いい人で良かった」とコメントしたとか。
(構成/編集部)
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