インタビュー

『Fine Songs, Playing Sucks』でバーベキュー(カヴァー)された曲を、オリジナルといっしょに試食!

 情報たっぷりのなかからこのページをめざとく見つけたアナタはなかなかスルドイ! なんでパンク・ロックがムーヴメントを超えていまなお演奏され続けとんのか?の解答を示す人たちが載っておりますゆえ。その名もBBQ CHICKENS、リオ・ブラヴォー!! 

 野暮を承知で例えますると、どのような素材だろうがBBQ CHICKENSが料理すりゃすべて〈バーベキュー・チキン〉として供されるワケで。肉類はもちろん魚介野菜エリンギ舞茸ぶなしめじ……あらゆる食材がこんがり焼けたチキンと化すそのさまは、精進料理をも超えたファンタスティックな光景であります。そんな彼らのレシピ集おっとカヴァー集、その食材はというと──。

 セパルチュラもカヴァーしたブラック・サバス“Sympton Of Universe”はメタル・ディープなみなさんからも微妙な評価を受ける『Sabotage』より。シャム69の代表曲“If The Kids Are United”は言わずと知れた初期パンク・アンセム。意外なようで意外でないようなところからは、ディズニー・アニメ「ハウス・オブ・マウス」に登場するクワック・ストリート・ボーイズの元ネタ、バックストリート・ボーイズ“I Want It That Way”。日本人が生まれて最初に耳にする英語曲としていまなお愛され続ける“Sesame Street Theme”。ロック史最強のギター・リフのひとつ、ビートルズ“Day Tripper”。多くの中学男子に〈処女が好き……(ニタッ)〉と誤訳させたマドンナ“Like A Virgin”。SO212iにプリセットされていた着メロ――ダフト・パンク“One More Time”、といったところが続きます。ここまでで全7品、所要時間はおおむね7分半。グッジョブ! ウィーザー“Getchoo”、ブライアン・ハイランド“Itsy Bitsy Teenie Weenie Yellow Polka Dot Bikini”(ビキニ・スタイルのお嬢さん)、ニルヴァーナ“Territorial Pissings”、ボブ・マーリー“Buffalo Soldier”、ロケット・フロム・ザ・クリプト“Middle”、エクソダス(うひゃ~)“Bonded By Blood”といった、もはやど真ん中か否かも判断させない素材が並んだあとは、いよいよBBQ CHICKENSの真骨頂、〈素材のいちばん美味いトコだけ使い〉の包丁さばきが披露されます。元GSメンバー3人が集まりゃ必ずといって演奏される(ヨコハマあたりで)ロイ・オービソン“Pretty Woman”、アイス・T率いるミクスチャー・バンド(……)、ボディ・カウント“Evil Dick”。……ま、味わってくださいまし。

 以上、全15品、13分。ヘタするとアートの域に転びそうなところをキチンと大衆料理として昇華させているのは、ひとえにキース・カフーン(前タワーレコード・ジャパン代表取締役)言うところのヒューマァ(ユーモア)溢れるセンスの良さによるところ大、なのではないでしょうか。

▼BBQ CHICKENSが『Fine Songs, Playing Sucks』でカヴァーした楽曲のオリジナルを収めたアルバムを紹介。


「セサミストリート」の音楽集『The Best Of Sesame Street』(ソニー)


エクソダスの85年作『Bonded By Blood』(Relativity)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年10月30日 12:00

更新: 2003年11月06日 17:31

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/マダム・病ン

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