インタビュー

ハナレグミの風味豊かなサウンドをテイスティング!

 ハナレグミのセカンド・アルバム『日々のあわ』、その味わいの素は、永積タカシの歌声にほかならないわけだけど、プロデューサーの鈴木正人と鈴木惣一朗が味付けした豊穣なアメリカン・ロックのエッセンスに舌鼓を打つのも楽しみ方のひとつ。ここでは、そのあたりにスポットを当て、ハナレグミを吟味してみましょう。では、さっそく。

カントリー・スタイル――軽快なシャッフルのビートに乗って〈うららか~♪〉と歌われる“うららかSUN”。〈~な表通りでぇすぅ♪〉と続けて歌っているそこのあなた。大滝詠一リスペクトだ!と早合点しちゃった? でも間違ってないかも。

エキゾ風味トロピカル添え――“マドベーゼ”は香ばしいテックス・メックス風の調理がなされており、高田漣のペダル・スティールの響きもあって、ライ・クーダー『Chicken Skin Music』を彷佛とさせる一品。舌触りということでいえば、どことなく久保田麻琴&夕焼け楽団っぽさも。

アコースティック・グルーヴ、メロウ・ソースがけ――メジャー・セブンス・コードを使ったフォーキーな“レター”は、アルバム中もっともスウィートなナンバー。〈コレ〉って特定できないけど、ラニ・ホールやハース・マルティネスなどに通じる甘味を持っている。

シンガー・ソングライター煮――これぞハナレグミ!な“ハンキーパンキー”をはじめ、ゆっくりと煮込んだハートウォームなアコースティック・バラード満載の本作。KYON2に提供した“きのみ”のセルフ・カヴァーは、彼の大好きなリッキー・リー・ジョーンズに近い味わいだったり、ジム・ウェッブ的コード展開の“ステルトミチル”や南部風バラード“心空”など、香りと味で食欲をそそる。

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掲載: 2004年01月22日 14:00

更新: 2004年01月22日 17:46

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/桑原 シロー

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