インタビュー

melody.

日々の自分を歌の便りに乗せて優しく届けるmelody.のファースト・アルバム!


 2003年2月にシングル“Dreamin' Away”でデビューしたハワイ出身のmelody.。〈旋律〉を意味する彼女の名前は、実は本名。

「両親が音楽好きだったから、この名前を付けてくれたのね。だからこそ、私も歌を歌うようになったのかもしれないですよね」。

 生まれたときから〈音楽〉づくしだった彼女の初めてのアルバム『Sincerely』が完成した。全14曲。収録曲の中には2年半前に録り終えていた曲もあるとか。時間が経つと、声や歌い方も成長したんじゃない?と尋ねると「いまのほうが子供っぽい声」だと言う。しかしそれは、楽曲のバリエーションが増えたことや、コーラスワークの楽しさを知ったことで、自身が持つ声質をフルに活かし始めたからであって、それは彼女の〈成長〉を意味する。

「アメリカにいたころはマライア・キャリーやブリトニー・スピアーズをよく歌ってたの。地声で歌う感じで。でも自分がいま歌ってる歌は、彼女たちの歌とは違う。歌う歌が違うと、声の印象も変わるのよね」。

 アメリカ生まれのmelody.は、普段から当然のように英語を話し、英語で読み書きをしてきたのだけど、来日して日本でアーティスト活動を始めた現在は、日本語で詞を書き、日本語で歌っている。これが大変。

「家族と話すのは日本語だけど、普段は英語だったから、日本語の読み書きが大変だった。あと、詞に対する感覚の違いに慣れるのも大変だったのね。アメリカは表現がダイレクトだし、自立心を強調したりするじゃない? でもそれを日本でやると〈可愛くない〉って(笑)」。

 言い回し、表現方法……より深く言葉を届けたくて、考え抜いた――そして出来上がった『Sincerely』の世界。

「このアルバムはmelody.からリスナーのみんなへの手紙なの。手紙の最後に〈Sincerely〉ってつけたりするでしょ? これは日々の私のこと。そんなmelody.の歌声を、生活のBGMにしてもらえたら嬉しいな」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年01月29日 12:00

更新: 2004年02月26日 17:33

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/えびさわなち