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インタビュー

nemo

またもや札幌シーンより、〈ハードコア・スピリット〉を見せつける新バンドが出現したぞ!


 bloodthirsty butchers、イースタン・ユース、怒髪天、DMBQ、NAHT、kiwirollなど……札幌シーンからはホントにとんでもないバンドが生まれているのだけど、またしてもすんごいタマが君臨。元cowpersの下と、元PLUGの中野を中心に結成されたnemoである。その伝説は2000年にスタート。

「札幌にいてもよかったんですけど、長い人生ですからね。東京でバンドするのもイイかなって上京しました。それに東京って楽しそうじゃないですか、Less Than TVの人たちもおかしいし(笑)。あとやはりNAHTのセイキ君の影響も強かったですね」。(下、ギター/ヴォーカル:以下同)。

 そのセイキがジャケットを手掛けるファースト・アルバム『RECORDERS』には、カオティック~ポスト・ハードコア的尖ったスリリングなサウンドと溢れ出るエモーショナル・メロディーの融合はもちろんのこと、フリーキーでプログレッシヴかつジャム的ニュアンスもバッチリ疾走しているからスゴイ。

「常に自由な場所を残す、ということは考えてますね。楽器やりたがりだし(笑)。それにトータル的なモノも好きなんです。ピンク・フロイド、イエス、クイーンとか、王道ポップ・プログレですね(笑)。だからハードコアに関してもサウンド的には根本ではないと思っています。逆にそのほうがイイと思うし。ただ発想とかバンドの進め方はハードコアでありたいと。すでにハードコア・バンドだからといって〈ギターは歪んでいなくちゃいけない〉ってことはないじゃないですか。音楽的な変化を柔軟に受け入れることこそがハードコアだと思うんです。ジョーン・オブ・アークとかブロンド・レッドヘッドとか、〈いい意味でやりっぱなし〉みたいないまの発想をパッケージするスタンスが好きなんです」。

「あとメタルですよ! 確実に影響されてますから。高校時代に〈アナーキー聴いてました〉のほうがカッコイイとは思うんですけど(笑)、自分にとってはヴァン・ヘイレン、モトリー・クルーは譲れません。今作にもバッチリ出ていますよ。〈俺のリフ聴いてよ!〉って感じなんです(笑)」。

 ちなみに下はジェット・ライナーズではドラムを担当、さらに〈松庵録音堂〉の名でエンジニアとしても活動中。そんなフットワークの軽さこそがハードコア・スピリットであり、音楽のいまを楽しむことなのだと心から思う。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年04月15日 16:00

更新: 2004年04月15日 19:24

ソース: 『bounce』 252号(2004/3/25)

文/小林 秀樹