インタビュー

東西を跨ぐ〈フレックス・ヴァイブ〉たちが、着実に新たな波を起こしているぞ!

 ソウルやレゲエ、ジャズなどの要素を、楽曲の味付けとして使うのではなく〈吸収〉し、さらにそれらをflex life流ポップスに昇華させることに成功した『japonica』。このアルバムのテーマの一つが、東と西の才能とのコラボレーションを1枚のアルバムに収めること、つまり〈関東(eastica)と関西(westica)の融合〉だ。今作では、関西のmama!milk、みちしたの音楽、関東のLoop Junktionらがflex lifeとの〈ヴァイブの交流〉とでも言うべき素晴らしいコラボレーションを見せてくれたが、東にも西にも、独自のヴァイブを持つアーティストはもちろんまだまだたくさんいる。

 まず、関東で注目したいのが11人編成のビッグバンド、モダーン今夜。〈ジャズ meets 歌謡〉なベタさには向かわずに、独自の〈洗練〉をめざす彼らは、ライヴも見もの。また、南国の陽気さとユルさを翻訳してくれたカリプソ・バンド、カセットコンロスは、ごった煮なのに広く〈伝わってくる〉純粋さのある音楽を奏でている。

 一方の関西では、すでに全国区のorange pekoeは説明不要だろう。flex lifeと仲の良いカルカヤマコトは、ジャマイカで活動するダウン・トゥー・アースな関西人レゲエ・シンガー。The Miceteethのオーセンティック・スカに溶け込んだやわらかい歌の力と、bonobosが持つ構築性の高い楽曲にも要注目。ともに地元でのライヴ評価の高さは安定している。

 と、ここに挙げた面々はどれもジャンルは違えど、音楽の奥に〈個〉が見えてくる新世代のアーティストということ。関東/関西に限らずとも、各地で新しい波はすでに起こりはじめている。

▼文中に登場した作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年04月28日 13:00

更新: 2004年04月28日 20:02

ソース: 『bounce』 253号(2004/4/25)

文/ヤング係長

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