シーンを加速させる注目の2004年盤!!
22-20s 『22-20s』 Capitol/東芝EMI ブルースを下地にしたロック=古典派という、安易なイメージを捻り潰す若きバンド。たった3人で繰り出される圧倒的音圧とビート感、それらが巻き起こすグルーヴがとにかくハンパないのだが、鼓膜を破るかのような轟音を射抜く、泣きのメロディーがこれまたミソ。炎のブルース・ロック、その2004年版がここにある。
THE ORDINARY BOYS 『Over The Counter Culture』 East West UK クネクネと捻じ曲がった最近のシーンで、路頭に迷ってしまったらコレを聴くべし。やれモッズだパンクだと呼ばれるサウンドの中心には、太い〈ロック〉が一本通っている。ジャムの刹那な衝動もスミスの妖艶な哀愁も抱く〈俺たちのロック〉。大事なものは、すべてここにある。
BLOC PARTY 『Bloc Party EP』 V2 大豊作のイギリス新人ロック市場、そのつぎを担う未曾有の変異体がこのブロック・パーティー。ポスト・パンクと括るにはあまりに奔放な野生児ヴォーカルと、切れ味バツグンのグルーヴ感はまさに圧巻! あらゆる素材をブチ込んだ〈ゴッタ煮ダンス・ビート〉の狂い咲きに横っ腹が痛くなる! ブレイクはすぐそこだ!!
RAZORLIGHT 『Up All Night』 Mercury ガレージ・ロック台風のあとに残ったひと粒の超新星。ロンドンらしい退廃ムードのなかを向こう見ずに突っ走る様は、まさしく〈ポスト・リバティーンズ〉の名にふさわしい。シンプルかつ剥き出しになった爆発的衝動、つまりこれが残っているうち、イギリスのロック・シーンはまだまだ安泰なのである。
FRANZ FERDINAND 『Franz Ferdinand』 Domino/Epic すでに語り草となっているデビュー・アルバム。まさしく〈クール・ブリタニア〉な薫りプンプンのルックスと、心惹かれるフックがところどころに散りばめられた楽曲との完璧なピタリ感。〈いま〉を存分に体現し、同時に10年後もシーンの入り口に立ち続けているであろう〈時代の名盤〉。
SNOW PATROL 『Final Straw』 Polydor いまやフランツ・フェルディナンドやキーンと並んで圧倒的な支持を受ける、4人組バンドによるメジャー・デビュー・アルバム。ポップでエモーショナル、さらにディストーション・ギターという、三種の神器の乱れ打ちはまさに完璧。かつてのレディオヘッドが持っていたような、優しい轟音に溢れたバンド。
HOPE OF THE STATES 『The Lost Riots』 Columbia ヴァイオリンを含む5人組のデビュー・アルバム。レディオヘッドとシガー・ロスとミューズが川の字になって枕を濡らし合うような、ただひたすら〈哀〉に特化したサウンドが絶望的に美しすぎる。劇的展開が織りなす〈孤独のサウンドトラック〉に、視界が塞がれてしまうほどに涙が止まらない。
THE STANDS 『All Years Leaving』 Echo コーラルのおかげで〈変テコ・バンドの聖地〉となってしまったリヴァプール出身の良心的ニューカマー。バーズを思わせる枯れた風合いのフォーク・サウンドとラーズのごとき昇天メロディーに、ノエル・ギャラガーが惚れたというのも納得の話。優しくしゃがれたトラッド・ソングには酒が良く似合う。
KEANE 『Hopes And Fears』 Island 今年の新人レースにおいて、もっとも愛されているバンド。トラヴィスやコールドプレイの系譜を受け継ぐそのピュア・サウンドのカラクリは、澄みきったピアノとグッド・メロディーだけで構成される〈絶対普遍の唄〉たち。それだけでここまで泣かせることができる、これぞイギリスのロックが持つ潜在能力なのである。
THE ZUTONS 『Who Killed.....The Zutons?』 Deltasonic/S2 コーラルが蒔いた変質的種子を、拾い食いしちゃったリヴァプールの変態伝道師。ソウルやファンク、ニューウェイヴを巧みに採り入れ、サックスをブリブリまぶしたそのサウンドの突き抜け具合はすでに先輩であるコーラルを超えている。現代版スライ&ザ・ファミリー・ストーンと呼びたい!!
- 前の記事: The Music