インタビュー

Spymob

N.E.R.D.サウンドの鍵を握るスゴ腕バンド、スパイモブが日本盤を堂々リリース!!


 数々の成功を収め、いまもっとも注目を集めているプロデューサー・チームの一つ、ネプチューンズ。ネリーやジャスティン・ティンバーレイク、ケリスなど、さまざまなトップ・アーティストと共に数え切れないほどのヒット曲を量産してきた彼らが2001年、みずから表舞台に立ち、シーンを牽引せんがためにN.E.R.D.を結成する。当然そのパートナーともいうべきバック・バンドは、さぞかし名だたるトップ・セッション・ミュージシャンで固められているのかと思いきや、なんと彼らが指名したのは当時まだまったくの無名バンド、スパイモブだった!

「オレたちの世界が一変したよ。地元ミネアポリスのちっぽけなクラブでライヴをやっていたのが、ある日突然ツアーでヨーロッパを回ってて、BBCの〈Top Of The Pops〉に出演していたんだからね(笑)」(ジョン・オストビー、ピアノ/ヴォーカル)。

 さながらシンデレラのような登場とはいえ、楽曲は正真正銘ネプチューンズからのお墨付き! 先ごろ日本盤がリリースされたばかりのアルバム『Sitting Around Keeping Score』でも、70~80年代に産み落とされた華やかなポップスの香りをプンと漂わせつつ、2000年代らしいうねるようなグルーヴをループやサンプリングを駆使して纏め上げた、懐かしくも新しい、奇跡のような楽曲がタップリと収められている。

「そのとおり! オレはビートルズやバート・バカラックなどのピアノをフィーチャーしたポップス、スティーヴィー・ワンダーやフィリー・サウンドなどのソウル・ミュージックがバックグラウンドだった。ブレント(・パシュケ)のギターはレッチリのジョン・フルシャンテ的なロック・ファンクのノリだしね」(ジョン)。

 さまざまな音楽好きがひしめく今夏の〈サマソニ〉で、N.E.R.D.とスパイモブのスリリングかつパワフルなパフォーマンスに割れんばかりの大喝采が巻き起こったのはご存知のとおり。

「楽器を弾けるようになった日から誰もが夢見る光景だけど、必ずしも実現できることじゃないよね」(ジョン)。

 カテゴリーの垣根を軽々と飛び越え、しかもその着地点がまったく読めないその斬新なサウンドは、今後もさらなる進化を遂げていきそう。

「インスピレーションのために、音楽的に思いっきりヘンなことでも挑戦していく心を持つ。それがオレたちなんだよ!」(エリック)。

▼関連盤を紹介。

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掲載: 2004年10月28日 16:00

更新: 2004年10月28日 17:57

ソース: 『bounce』 259号(2004/10/25)

文/冨田 明宏