G-FREAK FACTORY
膨大な数のライヴをこなしつつ、確固たる信条を持って勝負作をリリース!
レゲエの持つ人間臭さや力強いヴァイブレーション、ロックの持つ瞬発力や爽快感。その双方を併せ持ちながら駆け抜ける独自のサウンド=〈DREAD ROCK〉を、確かな信念を持って貫き続けるバンドG-FREAK FACTORYが、スタジオ音源として数えてみてもわずか1年(ライヴ盤が今年の5月にリリースされている)という極めて短いスパンでアルバムをリリースした。ダンスホールあり、ドラムンベースありと、楽曲に対するアプローチの幅も広がった今作。バンドの状態が良いいま、あえてライヴで再現するのが難しいアルバムを作ったのは何故だろうか? バンドの精神的支柱でもあるヴォーカリスト、茂木洋晃に話を訊いた。
「ライヴ盤を出してなかったら、ライヴで再現できないものを作るのはやめようって思ったと思うんですけど。あれ(ライヴ盤)で一回裸になってるんで、今度は自分たちの理想系を一回作ってから、それをライヴで(単に再現するんじゃなく)ブチ壊したいって目標を立てて」。
今年は100本を超えるライヴを敢行し、パンク系のバンドとも対バンの多い彼ら。筋肉質なサウンドに仕上げようとは思わなかったのだろうか?
「ぶっちゃけ、葛藤はありましたよ。このフィーリングで(パンク系の対バンを)やってくのはキツイかなぁって思う時もあったんですけど、そこで完全に媚を売ったものを作っちゃったら、自分たちがぶっ壊れちゃうなって。で、どっちにするかって選択を迫られた時に、〈わかってもらえるまでに時間もかかるけど、それを覚悟して行こうよ〉っていうふうになった」。
そんな覚悟が詰まったニュー・アルバムのタイトルは、『36.29N,139.00E』(群馬県の経緯)。改めて地元をタイトルにしたのは?
「ここでやっていこうっていう決意ですね。みんな東京に出ていくのが勝負だと思ってるかもしれないけど、ここでやってくことのほうが全然勝負だし、東京だと同じような夢を持った人がたくさんいるんで浮かないけど、現実を目の当りにしながら、〈いつまでそんなことやってんだよ〉って言われながらも〈まだやるぞ!〉って戦っていける場所が地元(群馬)なんですよ」。
自分たちの原点をしっかりと踏襲しつつ、貪欲な広がりを見せるG-FREAK FACTORY。これから始まるツアーで、この楽曲たちをどう壊してみせてくれるのか楽しみだ。
▼G-FREAK FACTORYの作品を紹介。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2004年11月18日 13:00
更新: 2004年11月18日 17:22
ソース: 『bounce』 259号(2004/10/25)
文/斉藤 浩一