マイペースに垣根を巡らすレーベル=plantsと、その周辺を自由に泳ぎ回るcopaの仲間たち!
メンバー全員で一斉に音を出して、そのライヴの現場にいるオーディエンスといっしょにいかにおもしろく楽しい気分になれるかということと、パンクのスピリットやアティテュードを現在最新形として表現するために、ルーツ・ミュージックの要素を大胆に採り入れるということ――copa salvoの音楽シーンにおける極めて新鮮でユニークなポジションは、この大きな二つの特徴によって確立されてるといえるだろう。彼らが所属するレーベル=plantsから2003年にリリースされた良質なコンピ『plants』、その第2弾としてリリースされる『SUNDALAND』には、音楽性は見事にバラッバラだけど彼らと同じようなスピリットやアティテュードを持ち、彼らと同じように表情豊かで濃ゆくて〈イイ顔〉した音楽をクリエイトするアーティストが集結している。
それらの両コンピに参加しているのはレーベルメイトでもある、ジャズをベースにブラジルやアフロの要素をミックスさせた独特のスピリチュアルな音像で話題を呼ぶBamboo Swingや、ファースト・アルバムをリリースしたばかりのスティールパン楽団=Panorama Steel Orchestra(P87のレヴューをチェック!)。また、ガムランとのコラボや、超絶ライヴで大きな注目を浴びているNIGHT JUNGLEでも活躍するディジュリドゥ奏者のGOMA、ブラジル~ジャズ~ブルースといったブラック・ミュージックのフィーリングを独特な楽器編成とアレンジで斬新に聴かせるchoro azulがいる。
copaはもちろん、Sandii、Double Famous、CINEMA dub MONKS、エマーソン北村、mama!milkなどキョーレツに濃ゆいメンツが集結した素晴らしすぎる内容を誇るコンピ『SUNDALAND』だが、先日のファースト・アルバムが大絶賛を受けているレゲエ/ダブ・バンド=DUBSENSEMANIAを率いるRAS TAKASHIや、惜しくも他界してしまったアイヌ音楽の伝承者・安東ウメ子の音源をダブ・リミックスした同じくアイヌ音楽のトンコリ奏者・OKIといった顔までもが見られる。
またRDの同僚には、ほんわかリラクシンなスカを聴かせてくれる山口は岩国のバンド、The Little Elephantがいて、先輩には次々と新しき音の冒険を大胆に繰り広げるEGO-WRAPPIN'もいるという、広いけど一本太い筋の通っているcopa salvoの音楽人脈。これってcopaメンバーの人柄や音楽そのものが持つ魅力があるからこそだと思うし、今後もこの陽気で濃ゆくてパンクでルーツでイイ顔した〈copaコネクション〉はきっと拡大し続けていくだろう。
▼ジャケは登場順に
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2005年01月27日 12:00
更新: 2005年01月27日 18:08
ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)
文/ダイサク・ジョビン