NOISE McCARTNEY RECORDS(2)
アルバムの6曲目に“煙草を吸うガール”が収録されたまつきあゆむ
――前回のコンピでも思ったことだったのですが、収録されている曲を聴くとくるりのファン向けに作られた内容ではないですよね。
佐藤 全然違いますね(笑)。くるりを聴いたことがない人にも聴いてもらいたいです。これを聴いた人がついでに自分らのライヴにも足を運んでもらえれば嬉しいかな、くらいの気持ちで。
――収録されている8曲がかなりバラエティに富んでいると思ったのですが、佐藤さんが一番気に入っている曲は?
佐藤 んー、2曲目の土井(玄臣)君“終点はあの娘の家”ですね。5曲入りくらいのテープをもらったんですけど、この曲だけすごいこの人が歌っている感じが出ていてドキッとしたんですよ。自分では気付いてないみたいなんだけど、歌詞に関西弁の訛りがあるんです(笑)。あと、携帯もなんも持っていない生活をしているらしくて、それが歌詞にすごいリアリティーを出しているんだと思います。
アルバムの7曲目に“カゲロウゆれる”収録されている森本のりたか
――7曲目の森本のりたか“カゲロウゆれる”なんかかなり異質ですよね。最初に聴いたとき「なんだ、これ」と思ったんですけど(笑)。
佐藤 この人はストリートで演奏している人で、最初送ってくれたときは「チャゲアスみたいや」と思ったんですよ(笑)。でもちゃんと聴いてみるとすごい良く出来てて、この曲はエンケンさんみたいな感じもあってそれがかなり好印象でしたね。ストリートで歌っている応募者でグッときたのはこれが初めてでした。
――ジャケットも一般の方から送られてきたものなんですよね?
佐藤 そうですね。前回はできなかったんですけど、ジャケットも送られてきたものを採用したいと前から思っていて。それで今回募集した中から良かった方に書き下ろしてもらったんです。
――このコンピレーションを発売することで参加したアーティストがどういう状況になって行くのが理想だと思いますか。
佐藤 僕らは本業でやっているわけじゃないから、このコンピに参加したアーティストの面倒を最後まで見ることはできないじゃないですか。だから、これを出すことで他のレーベルの人たちに目をつけてもらえたらな、と勝手に思っているんですけどね。このアルバムのコンセプトはデモ音源を回りの人に聴いてもらうっていうことが最初にあるから。いずれは一人のアーティストをレコーディングからプロデュースしたいという気持ちもあります。
アルバムの8曲目に“Obscure Butterfly”が収録されているFredeliq
――では、今後NOISE McCARTNEY RECORDSを運営していく姿勢みたいなものをお伺いできますか。
佐藤 のんびり長くやっていきたいですね。「何ヶ月に一枚出さないといけない」とか決まっているわけでもないし、「デモテープ聴くの飽きたからコンピやめます」とかいうことはないので。あと、(以前NOISE McCARTNEY RECORDSがリリースしたジョン・ヴァンダースライスのような)アメリカのアーティストだけじゃなく、日本では知られていないいろんな国の人の作品をリリースしていきたいです。最終的にはレーベルで売れたお金で自分たちのレコーディングができればと思っているんですけど(笑)。
『NOISE McCARTNEY RECORDS COMPILATION Vol.2』
1. Leon & Grover “バイバイジョニー”(フルサイズ試聴♪)
2. 土井玄臣 “終点はあの娘の家”(フルサイズ試聴♪)
3. 24ページ “二度寝の美学”(フルサイズ試聴♪)
4. ロック病院 “ルールー”(フルサイズ試聴♪)
5. ミラーボールズ “涙のシベリアロック”(フルサイズ試聴♪)
6. まつきあゆむ “煙草を吸うガール”(フルサイズ試聴♪)
7. 森本のりたか “カゲロウゆれる”(フルサイズ試聴♪)
8. Fredeliq “Obscure Butterfly”(フルサイズ試聴♪)
▼NOISE McCARTNEY RECORDSからリリースされたアルバムを紹介
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