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インタビュー

M・ウォードのナイーヴな歌声と見事にマッチする〈大音楽〉たち

 M・ウォードのカヴァー・センスを大解剖!……とはいえ、その切り跡は気持ちいいまでにバッサリと一刀両断。このストレートな指向は、頓着せずに大音楽に身を捧げる彼ならではのもの、ともいえよう。現在31歳という年齢を考えれば、2003年のサード・アルバム『Transfiguration Of Vincent』で、デヴィッド・ボウイ“Let's Dance”をメロウにカヴァーしていたのも深く頷けるし、ニュー・アルバム『Transistor Radio』に至っては流麗なフィンガー・ピッキングで冒頭をビーチ・ボーイズ“You Still Believe In Me”、終幕をバッハ〈平均律クラヴィーア〉で厳かにシメ! さらに、彼が自主制作でリリースしていたライヴ盤『Live Music & The Voice Of Strangers』には、ツアー・メイトであったヨ・ラ・テンゴの“Saturday”にヴェルヴェット・アンダーグラウンド“Pale Blue Eyes”など、直球カヴァーがズラリ。ほかには、敬愛するダニエル・ジョンストンのトリビュート・アルバム『The Late Great Daniel Johnston - Discovered, Covered』に参加したことでも知られるが、2004年の初来日ツアーのハイライトはなんといってもルイ・アームストロングの“What A Wonderful World”だった。その最初の公演日、美しい歌声と親密な空間の外、TVではブッシュ再選確定の報道が。その皮肉な好対照も含めて、毎夜を忘れ得ぬものにしてくれたことは言うまでもない。

▼文中に登場する楽曲を収録したアルバムを一部紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年02月03日 12:00

更新: 2005年02月03日 18:19

ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)

文/福田 教雄

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