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インタビュー

〈QOTSAサウンド〉を形作った懐かしの豪傑たちが大集合!!

 QOTSAの実像をより明確に捉えるために、ここでは彼らの血肉と化しているルーツ的なサウンドをいくつか探ってみよう。まず筆頭に挙げるべきは、〈元祖ストーナー・ロック〉としても再評価が著しい御大ブラック・サバス。特に重厚なサバス式ハードネスの完成を見た70年初期~中盤のサウンドとの近似性は高い。強靱なパンク魂とフリーキーな暴力衝動、暗い情念と醒めた狂気といった精神性は、ストゥージズの70年作『Fun House』を彷彿とさせる。過剰なラリパッパ状態を誘発するサイケデリックなドライヴ感は、ホークウィンドからの隔世遺伝か? ヘヴィー・リフが極彩色の宇宙へと突き進む73年の激ドラッギーなライヴ・アルバム『Space Ritual - Alive In London & Liverpool』はとにかく必聴! タフ&ブルージーな男気を学んだのは、土煙舞う豪腕ハード・ブギーが痛快な70年代のZZトップだろう。QOTSAの最新アルバム『Lullabies To Paralyze』にビリー・F・ギボンズがゲスト参加したことで、男汁飛び交う師弟共演が実現。ヘヴィメタルとオルタナティヴを自在に往来する絶妙なバランス感覚は、巨大なる指標=メタリカあってのもの。伝家の宝刀であるスピードを封印したことによって、逆に重量感と歌心が大爆発した91年の衝撃作『Metallica』からの影響は大きいだろう。ひとつ上の世代である先輩メルヴィンズからは、〈ストーナー道〉のノウハウのほとんどを叩き込まれたと言っても過言ではない。ここでは故カート・コバーンも参加している93年作『Houdini』を挙げておこう。
▼文中に登場するバンドの作品を紹介。


ZZトップの75年作『Fandango!』(Warner Bros.)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年03月31日 13:00

更新: 2005年03月31日 19:18

ソース: 『bounce』 263号(2005/3/25)

文/北爪 啓之

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