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インタビュー

Mudvayne

怪物メイクを落とし、素顔の自身と対峙したマッドヴェインの3作目『Lost And Found』!!


 デビュー当初はスリップノットばりの覆面メイクを施し、その後エイリアンのような特殊メイクへと変身。インタヴューではゴッホやピカソ、映画監督のスタンリー・キューブリックなどからの影響を口にする──そんな一風変わったアート志向とインテリジェントを備えたヘヴィロック・バンド、マッドヴェインが、前作『The End Of All Things To Come』から約2年半ぶりとなるニュー・アルバム『Lost And Found』を発表した。これまでエヴァネッセンスなどを手掛けてきたデイヴ・フォートマンをプロデューサーに迎え、ヴォーカリストであるチャド・グレイが言うところの「ブルータルかつビューティフルなアルバム」を完成させた。内省的な歌詞も含め、表現力が増したエモーショナルなヴォーカルが印象に残る今作は、これまででもっともパーソナルな内容になったという。

「曲の数々は、個人が抱えている精神的な試練や過酷な困難にブチ当たったときに下す決断などについて触れている」(チャド)。

 アルバム・タイトル、及びアートワークからもわかるように、自己確認とそこからさらに前進していく意思、というのが作品全体を通じてのテーマとなっているよう。

「僕らが特にこのアルバムで訴えたいのは、鏡の中の自分を見つめて自分自身に納得することなんだ」(チャド)。

 作品を発表するごとにメンバー自身の名前を変え、奇抜なメイクも変化させてきた彼らだが、今回のアルバムからは全員が本名を名乗り、また“Determined”のプロモ・クリップにおいては素顔で登場している。

「メイクに縛られていたわけじゃない」(マシュー・マクドノウ、ドラムス)とは言うものの、ありのままの自分たちをさらけ出すことにしたのは、〈鏡の中の自分〉を見つめ直した末の決断であるといえよう。メイクをやめ(=Lost)、それによって新たに自分たちの音を見つけた(=Found)……と結論付けるのは安易すぎるかもしれないが、このニュー・アルバムに対してメンバー全員が相当な自信を持っていることは確かなようだ。

「このレコードで確実に自分たちの〈声〉を見つけた。しっかりと腕を組んで立ち、〈これこそがマッドヴェインのアルバムなんだ〉と言うことができるね」(マシュー)。
▼マッドヴェインのアルバムを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年05月06日 13:00

更新: 2005年05月06日 19:35

ソース: 『bounce』 264号(2005/4/25)

文/粟野 竜二