インタビュー

デルタソニックってなんなんだ?

 リヴァプール──この街の名前を聞いただけで、特別な想いを抱く人は少なくない。ビートルズを、エコー&ザ・バニーメンを、そしてラーズを生み出したこの街は、英国を代表するロックの聖地として今も昔も変らずに注目を集め続けている。そんなリヴァプールの中心街から車で15分ほど走ったところに、いま世界中のロック・リスナーから熱い視線を注がれている謎多き新興レーベル、デルタソニックのこじんまりとしたオフィスがある。看板アーティストにコーラルを擁する彼らは、まさにそのコーラルの存在と重ね合わせてみるとわかりやすい。すなわち、珍妙にして奇天烈な気を放つ自由な思想の〈亜流〉な存在でありながら、〈主流〉をも呑み込んでしまう圧倒的な存在感で他の追随を許さない理想的な共同体である、と。そんなレーベルの姿勢に共感を抱いて集ったバンドは数多く、〈超絶雑多音楽集団〉ことズートンズをはじめ、クラッシュの再来と囁かれる現在進行形レベル・パンクス=デッド60sや、18歳の女性ヴォーカルを擁することからブロンディやスリッツなどと比較されているリトル・フレイムス、さらにデルタソニック内でも異彩を放つカントリー・バンドのベースメントや、ジョイ・ディヴィジョンを擁したファクトリー全盛期のような独特の存在感を放つロングカットなどなど、どれも一筋縄ではいかない極彩色な個性を放つバンドばかり。ちなみにリトル・フレイムスとロングカットのファースト・アルバムが年内に届けられるかも?との噂もあり。さらにコーラルとロングカットが〈フジロック〉、リトル・フレイムスが〈サマソニ〉にて来日決定! 今年のロック・シーンはみんなの理想郷、デルタソニックに侵略されること間違いなしだ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月16日 12:00

更新: 2005年06月16日 19:41

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/冨田 明宏

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