インタビュー

BAZRA

魂を激しく燃焼させてロック・シーンを焦がすBAZRA。新作に込められた神通力とは?


「いままでは、瞬間瞬間で輝いていればいいっていうか、いまを輝かせるスイッチは絶えず入っていたんだけど、今回はこれからの行き先も照らすサーチライトみたいなもののスイッチが入った感じ。いままでの流れも汲んだうえで、心機一転の気持ちも含めつつ、〈新しいスイッチが入った〉という意味で『switch』というタイトルになりました」(井上鉄平、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 さりげなくレジェンドを生み出しているロック・シティー=札幌で産声を上げ、2002年のファースト・ミニ・アルバム『ひょうろくだま』(完売御礼!)を皮切りに、2年半あまりのあいだでフル・アルバム2枚を含む7作品をリリースし、猛烈なペースで突っ走ってきたBAZRA。そんな彼らにしては珍しく、このたび届けられたミニ・アルバム『switch』は9か月ぶりの新作。そして、さりげなくメジャー・レーベルからのリリースだったりする。

「今回は、レーベルも移籍したことだし、なんかちょっと違う雰囲気でやりたかったんですよね。ライヴもちょこちょこやってはいたけど、いままでみたいにハイペースではやらずに、ちょっと休んで曲作りに専念したんですよ。いままではライヴをしながら曲を作るっていう方法で、ちょっと追いつめられていた感はあったんですけど、それって気が散ってしまうところもあって、一度でいいからじっくり曲を作りたいなっていう気持ちが沸いてきて」。

 そういった経緯を知るも知らぬも、とにかく『switch』の中には、BAZRAのチャームポイントである荒ぶるスピリットと真心こもった歌、言霊、ファンクネスが、よりパワーアップして封じ込められ、その様は明確に聴いてとれる。

「BAZRAにとって、〈歌〉っていうものは度外視できないんですよ。そこがいちばんのキモだったりするから。今回はディスカッションする時間もいっぱいあったし、そこでいろんな意見、メンバー以外の人の意見とか、みんなが思う〈BAZRAっぽさ〉というものを考えて採り入れたってところがいちばん大きいかな」。

 8曲入りのミニ・アルバムだからといって侮るなかれ。音楽史を振り返っても、収録時間30分そこそこの名盤がなかったわけでもなく……。

「手応えとして、スゲェいいモノが出来たって感じがある。ちゃんと向き合ってくれる人には相当なモノを与えられると思うけどね。そのぐらいの音が鳴ってる。そう思うでしょ? ホントいいんだって!」。

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掲載: 2005年07月14日 16:00

更新: 2005年07月14日 17:24

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/久保田 泰平