インタビュー

メンバーそれぞれが多忙を極める彼らの、怒濤のソロ・ワークスを駆け足でプレイバック!!

 それにしても新作『NIGHT PEOPLE』における音楽的咀嚼の成熟ぶりには恐れ入るが、ここではバンドと並行して続けられている個々の活動のおさらいを。まず、青柳のKAMA AINA名義での最新作『music activist』は、音楽を国境のないものとする彼のホーボーぶりが手に取るようにわかる一枚。また大御所Sandiiお姉さまをふたたびワールドワイドな音の戯れへと導いた『Sandii's Lemurian Heart』から、レーベルの後輩であるBophanaをオーガニックなアレンジで彩ったり、さらには湯川潮音の聖なる歌声を緩やかに色づけしていく手腕など、とりわけ女性ヴォーカリストに必ず新たな輝きを発掘してしまうそのプロデュース・ワークは常に見逃せない。

 またライヴ/作品の双方で、スマートかつ安定感のあるベースプレイで数々の客演をこなす鈴木。ハナレグミ『日々のあわ』での慎ましくも逞しい音の太さや、UA『SUN』の決してエキセントリシティーだけに終わらせない深み、内田也哉子、渡邊琢磨とのユニット=sighboatでの研ぎ澄まされた実験性と、歌を引き立たせるためのアイデアは実に懐が深い。

 そしてルーディーなスタイルと、テクノやトランスまでも視座に入れた先鋭的なリズムの解釈を続ける栗原の活動のなかで最近もっとも興味深いのが、コンピ『リズムであそぼう』での舞踊家である母親・石井かほるとのコラボレーション。〈大人と子供のためのリトミックCD〉のコンセプトに相応しい、スリリングな母子競演を繰り広げている。

 さらに待望! 9月には青柳と栗原が参加する無国籍楽団=Double Famousの新作リリースも伝えられており、ますます彼らの周辺から目が離せなさそうだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年07月28日 14:00

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/駒井 憲嗣

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