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インタビュー

WACK WACK RHYTHM BAND

音楽と宴を楽しむ達人たちが贈る、とびっきり愉快でファンキーなパーティー・アルバム!


 持ち前のモッドでファンキーかつキラーな演奏で、東京の夜に集うパーティー・ピープルたちにありったけの賛辞と快哉(ときに蛮声も)をもって受け入れられてきたWACK WACK RHYTHM BAND。そんな彼らが前作から2年ぶりに、通算3枚目となるアルバム『SOUNDS OF FAR EAST』をリリースした。

「みんな仕事を持っていて、集まれるのはがんばっても週1ぐらいだし。たぶん音楽一本で食べていこうって決めたらこのペースじゃ絶対にやっていけないと思う」(小池久美子、アルト・サックス)。

 だからこそ、結成時のフレッシュな衝動を見事にキープオンできているとも言えるワケで。このたび届けられた新作からも、メンバー各々の楽しげな表情が実にクッキリと浮かび上がってくる。

「あくまでも楽しむことを目的にやってますから。たまに、めんどくさくて練習行くのが嫌なときもあるんですけど、いざいっしょに演奏すると、やっぱり楽しくて」(小池)。

 ジャズやスカにノーザン・ソウル、果ては70年代に放映されたカルト・ドラマ「お荷物小荷物」のテーマ・ソングのカヴァーまで。ジャンルの境界線を自由かつ豪快に突破するヴァラエティー豊かなサウンドも彼らならではだ。

「例えば〈ファンクやろうぜ!〉っていっても、いわゆる〈ファンク〉にはならないんですよ。ワックワックが演奏すると、どうしてもワックワックの音になっちゃう」(小池)。

「いまって、過去40~50年分ぐらいの音楽が全部並列で自由に聴けるじゃないですか。そのなかからひとつのジャンルに絞って突き詰めていく人も結構いると思うんですが、僕らにはそれができないんですよ。というか、いろんな音楽の楽しさがもう身体に染みついちゃっているので、何かやろうとすると全部が混ざって出て来ちゃうんです」(三橋俊哉、テナー・サックス)。

 大切なことは〈いかに音楽を楽しめるかどうか〉。そうしたシンプルなアティテュードこそが、バンドを続けていくうえでの唯一にして最大のモチベーションなのだという。

「本当、そこに尽きますね。だからライヴのスタイルも結成以来まったく変わってないんですよ。お客さんが盛り上がれば、こっちもさらに盛り上がって」(三橋)。

「そう考えると、お客さんを踊らせてるようでいて、実はバンドがお客さんに踊らされてるのかも(笑)」(小池)。

 踊り踊らされて早幾年。彼らの愉快な音楽の旅はまだまだ続く。
▼関連盤を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年08月25日 11:00

更新: 2005年09月01日 18:38

ソース: 『bounce』 268号(2005/8/25)

文/望月 哲