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インタビュー

ダイナソーJrを知るための6枚

『Dinosaur Jr.』 Home-stead/インペリアル(1985) 前身となるハードコア・バンド=ディ-プ・ウ-ンドの名残りを覗かせつつも、ひたすらスカスカした独特の荒涼感漂うサウンドが展開されるファースト・アルバム。裏ジャケのダメ学生3人組風スナップが微笑ましい。

『Youre Living All Over Me』 SST/インペリアル(1987)1曲目“Little Fury Things”のイントロで炸裂するギタ-・ノイズの嵐こそ、彼らの本領発揮の証し。暴力的な轟音ギターとメランコリックなメロディーがせめぎ合う〈ダイナソ-・サウンド〉が形成されたのは本作から。

『Bug』 SST/インペリアル(1988) その名を広く世に知らしめた傑作サ-ド・アルバム。激ポップな名曲“Freak Scene”で幕を開けつつも、すべてを否定し尽くす極悪ノイズ音塊“Don't”で締める底意地の悪さが当時は衝撃的だったが、今思えば実に彼ららしくて素敵。

『Green Mind』 Blanco Y Negro/ワーナー(1991) メジャー・デビュー第1弾にして、ル-・バ-ロウ脱退後初のアルバム。ある意味パワ-・ポップ的と言ってもいいほどキャッチ-に練られた曲が多数収録。表題曲の激しく感情的なギタ-・ソロが、ムショ-に泣けるのは俺だけ?

『Without A Sound』 Blanco Y Negro/ワーナー(1994) 凝った音作りの『Where You Been』を挟み、ほとんどJ・マスシスのひとりユニットと化した6作目。前作の反動からかシンプルで直情的なナンバ-が多く、まるでニ-ル・ヤングが憑依したかのように美しく内省的な佳作。


『Hand It Over』 Blanco Y Negro/ワーナー(1997) 多彩な楽器を採り入れたヴァラエティー豊かなサウンドとは裏腹に、内省の度合いがより深まった最終作。しかし、この閉塞感と諦念に満ちた音世界が不思議なほど心地良いのだ。末尾を飾るに相応しい名盤と断言したい。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年09月08日 12:00

更新: 2005年09月08日 19:08

ソース: 『bounce』 268号(2005/8/25)

文/北爪 啓之

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