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インタビュー

CHARLIE WILSON

多大なる影響力を誇るチャーリー・ウィルソン……〈現役〉というのはこういうことだ!!


 あのチャーリー・ウィルソンが総監督にR・ケリーを迎えて5年ぶりのニュー・アルバム『Charlie, Last Name Wilson』をリリース! 近年はスヌープ・ドッグのヒット・シングル“Beautiful”や“Sign”など、さまざまな客演で健在ぶりを見せつけていたが、もしかしたら彼の偉大さは若いリスナーにそれほど知られていないのかも?ということで、ここではその歩みを簡単に振り返っておこう。 

 オクラホマ州タルサに生まれ、幼い頃から兄弟と共に父親の教会で音楽を演奏していたチャーリーは、長兄のロニー、末弟のロバートと3人でバンドを結成している。バンド名はタルサの3つのストリート(Greenwood、Archer、Pine)の頭文字から〈The G.A.P. Street Band〉と名乗っていたのだが、〈The Gap Band〉と間違ってスペルされたのがきっかけで、その呼び名が定着……そう、ギャップ・バンドの誕生だ。チャンスがある場所ならタルサ近辺のどこでも演奏していた彼らは、70年代半ばにチャーリーが自身の可能性を追求すべくLAへ移住したのを機に活動拠点をLAに移し、友人のDJロジャースから紹介されて知り合ったロニー・シモンズによってメジャー契約を獲得。その後の活躍は言うまでもなく、3枚のプラチナ・アルバム、2枚のゴールド・アルバムを残したほか、“Burn Rubber”“Early In The Morning”“All Of My Love”といったR&BチャートNo.1曲をはじめとする数々のヒットを放ってきた。極めつけは“Outstanding”で、いままでに数え切れないほどのアーティストがサンプリングした、まさに大ネタの代表とも言える名曲だ。そういった面からも多大なリスペクトを得ているチャーリー、しかしやはり圧倒的なのはそのパワフルなヴォーカル・スタイルだろう。野生的でありながらイナタすぎず、エッジーな破壊力を孕んだ彼の歌声に憧れたフォロワーは続々と登場した。アーロン・ホールをはじめ、デビュー当初のR・ケリー、ジョデシィのK-Ciからドゥルー・ヒルのシスコへ……とチャーリーの遺伝子は多くの男性シンガーの体内へ刷り込まれてきたのだ。

 そのように多方面からいまも愛されてやまないアンクル・チャーリー。今回の新作には、スヌープやジャスティン・ティンバーレイク、ウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)、トゥイスタらが参加し、アーロン・ホールがガイ在籍時に放った名バラード“Let's Chill”をカヴァーしてたり、あの〈ヒヒッ!〉という奇声がちょこちょこ飛び出したり、最初から最後まで特濃チャーリー節! 一級の貫禄とバリバリの現役感……敵いません!
▼関連盤を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年09月29日 11:00

更新: 2005年09月29日 18:49

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/佐藤 ともえ