SOIL &“PIMP”SESSIONSの周囲に集まる強者たち
SOIL &“PIMP”SESSIONSを取り巻く状況は、結成から5年、初音源リリースから数えるとわずか2年足らずで凄いことになっている。そんな勢いに惹かれてか、彼らの周囲にはさまざまなアーティストが集まり、ある種のシーンを形成しようとしている。ここではそんなアーティストや作品を紹介しよう。
まず、これまでに何度も対バンや共演を行ってきた多くの盟友たち。キューバやラテンのリズムを異常な熱量でもってパンキッシュに演奏するcopa salvoや、トリオでの可能性を追求する新世代のダンス・ミュージック・バンド=cro-mag-non(来るべきファースト・アルバムにも激しく期待!)、ロック~ファンク~ダブをはじめとして、あらゆるダンス・ミュージックをルーディーに混ぜ込んだ極上グルーヴで天国へ連れていってくれるSLY MONGOOSEなどが、近いバンドとして挙げられるだろう。また、スカをベースにしつつもカテゴライズ不能の不良なサウンドで痺れさせてくれるTHE ZOOT16と、スウィンギンでパンク・ロックなジャズを鳴らす勝手にしやがれは、SOILも含めて21世紀の最新型ジャズを日本で鳴らしているバンドとして、それぞれのジャズの解釈の違いという側面でも非常に注目すべきところだ。
客演ではメンバーそれぞれが多方面で活躍しているが、まずはSOILと血の杯を交わした義兄弟的存在の犬式。彼らの最新作『Life is Beatfull』で聴けるタブゾンビ&元晴によるダビーなブロウにはノックアウト必至! またこの2人は、スクービードゥーの新作『Funk-a-lismo!』でも4曲に参加しており、その熱さをド直球でぶつけて大暴れしている。そして、SOIL周辺のシーンを理解するのに絶好の作品として、昨年秋のイヴェント〈nbsa+×÷〉の出演者が参加したコンピ『nbsa+×÷ ~自然発火~』を挙げたい。先述の犬式、copa salvo、cro-magnonのほかにKeyco、Q-ILL、椎名純平、SPECIAL OTHERSらによるグッドでリアルなヴァイブを持った12曲を収録している。
そしてSOILのメンバーたちも、複数の別ユニットで都内を中心にライヴ活動を行っているという。それらの動きも、バンド周辺のさらなる盛り上がりに一役買うことは間違いないであろう。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2006年03月02日 13:00
更新: 2006年03月02日 19:42
ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)
文/宇都宮 健太