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インタビュー

縦横無尽に広がるSLY MONGOOSEの交友録!

 COOL SPOONを出発点に、United Future Organizationの初期作に参加するなど交流を広げていった笹沼位吉にとっての転換点は、スチャダラパー、TOKYO No.1 SOUL SET、脱線3、四街道ネイチャーなどが所属した90年代のLBネイションに関わって以降だろう。スチャダラパーの98年作『fun-key LP』にて2曲、TOKYO No.1 SOUL SETの99年作『9 9/9』では5曲でベースを 担当するほか、各々のライヴにおいてもサポート・メンバーとして信頼を深めていった。四街道ネイチャーがFORCE OF NATUREに改名したのち、笹沼が『II』収録の“Unstoppable”に提供したヘヴィーなベースも印象的だ。川辺ヒロシとDJ KENT、笹沼から成るハウス・ユニット=GALARUDEは、そんな彼らの現在まで続く固い結束を象徴する(ミニ・アルバム『DECASCOS』にリミックス参加)。新作に参加したスチャダラパーとロボ宙が笹沼の原点だとすれば、同じくリミックスで参加しているラブン・タグやA Hundred Birdsなど笹沼が現在シンパシーを覚えているハウス畑のアーティストたちは、彼の交流図をさらに拡大するものだろう。一方、『9 9/9』にて2曲でコーラス参加し、一時期キリンジなどと共にLBネイションのイヴェントにも出演していた小島麻由美は、塚本功にとって縁の深いアーティスト。プレイヤーとして96年作『二十歳の恋』から彼女の作品&ライヴに関わってきた彼は、2003年作『愛のポルターガイスト』と翌年作『パブロの恋人』において小島と共にほぼ全曲のアレンジを手掛けるようになる。そうかと思えば、The Ska Flames主催のイヴェント〈Down Beat Ruler〉にもたびたび参戦しているSLY MONGOOSEの振れ幅はどうだ。新作『TIP OF THE TONGUE STATE』の奥にはそんな縦横無尽の交流図が広がっている。


スチャダラパーの98年作『fun-key LP』(ワーナー)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年03月09日 20:00

ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)

文/内田 暁男

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