インタビュー

Zebrahead

ヴォーカリストの脱退劇を乗り越えて、オレたちのパーティー番長が帰ってきた! ヤツらの鼻息はやっぱり今日も荒いぜ!!


 これは奇跡かマジックか!?ゼブラヘッドが帰ってきた。予想や期待を倍返しにするような、とんでもなく素晴らしい新作を引っ提げて――。98年にリリースされたデビュー・アルバム『Waste Of Mind』から2003年作『MFZB』まで、作品を追うごとにファン・ベースを拡大し、オレンジカウンティ産ミクスチャーの代名詞的存在となったゼブラヘッド。メンバーのおバカでお茶目なキャラクターと相まって、ここ日本でも熱烈な支持を集めてきたのは周知のとおりだ。ところが、2004年末にヴォーカル/ギターのジャスティンがまさかの脱退。バンドに初めての危機が訪れる。しかし残されたメンバーの決断はただひとつ、ゼブラヘッドの存続だった。

「解散や分裂を考えたりはしなかったよ。オレたちは自分たちがバンドを続けていくこと、新しいシンガーを見つけてどんどん曲を書き始めるんだってことをわかってたからね。やりたいことに迷わず集中しなきゃって思ってた」(アリ、ラップ)。

 オーディションを経て新メンバーに迎え入れられたのは、ジャンク1000というポップ・パンク・バンド出身のマッティ(ヴォーカル/ギター)。

「〈ケミストリー〉っていうのがいちばんピッタリくる説明の仕方じゃないかな。彼こそがバンドのケミストリーに見事にハマる男だったんだよ。それを感じたから、みんな〈コイツで決まりだな〉って思ったのさ」(アリ)。

 こうして5人で完成させたのが、タイトルも痛快な『Broadcast To The World』だ。

 「ここらで一発〈世界を制覇するぞ!〉っていう決意表明みたいなのをして、バンドの新たな幕開けにしたかったんだ」(グレッグ、ギター)。

 このアルバムにはこれまでのゼブラヘッドがすべて詰まっている。だが、それだけではない。マッティの加入がポジティヴに作用したのだろう、その開放感溢れるハイエナジーなサウンドからは、バンドがさらなるビルドアップを果たしたことがビシビシと伝わってくるのだ。〈ゼブラヘッド完全勝利!〉、そう快哉を叫びたくなる見事な復活作だ。

「何もかもが完全に揃ったアルバムなんだ。すごくハードな曲もあるし、すごくポップな曲もある。音楽スタイル的にも、ラップ・ソングもあればパンク・ロック・ソングもあって変化に富んでる。ついにこれが完成して、いまはとってもハッピーな気分だよ」(アリ)。

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掲載: 2006年03月23日 19:00

更新: 2006年03月23日 23:37

ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)

文/鈴木 宏和