インタビュー

YOYO-Cというひとりのアーティストの礎を築いた音楽たち!

 YOYO-Cの奏でる音楽の背景には、彼のレゲエDJとしてマイクを握る以前の、そして現在の、ジャンルを跨ぐ音楽趣向がある。そのあたりを彼自身の口から。

「小遣いを貯めては洋楽のレコードを買うのが小学1年ぐらいからのオタクな趣味で。いちばん最初に買ったのがピーター・ガブリエルの“Sledgehammer”。それを死ぬほど聴いて、U2やスタイル・カウンシル、プリンスに走って。プリンスの“Raspberry Beret”はよく聴いてたよ。トーキング・ヘッズも好きだったし、ビルボード見ていい曲を探してましたね。そんな感じだったんだけど、中2くらいで急にパンク/ハードコアにハマッた。雑誌を読んでたら〈畳み掛けるようなギター、止まらない高速ドラム!!〉とか書いてあって、どういう音楽かなと思ってレコードを取り寄せたんですよ。それで届いたのが7セカンズの『The Crew』。このバンドはいまだに大好き。中2ぐらいだったんですけど、針落とした瞬間、〈回転間違えてんのかな?〉って感じで、とにかくヤバい音楽だなって。そっからグレたと同時にスケートやバンドも始めた(笑)。ハードコアのレコードも何枚か出したんですよ、中学の時にインディーから。で、そのうちに友達から〈ヤバいのがある〉って聴かされたハードコアのテープの最後5分くらいにいきなりレゲエが入ってて。それが当時TV番組で使われてたアドミラル・ベイリーの“Big Belly Man”。〈なんだこれ!〉っていう感じ! あとはジョニーPとか。レゲエとの出会いはそこでしたね。レゲエ以外だと最近ではフェミ・クティとかが好きだな。ラテンとかフリージャズも聴きます」。

 ジュニア・デルゲイドのもと、94年から4年近く滞在したイギリスではニュー・ルーツの動きとリンク。「人生の宝物」と話すラスタマンとの出会いが彼を変えたとも。

「レゲエがそこまで深いとは思わなかったし、まわりのラスタマンが自分のグレてた考えを洗い流してくれた。イギリスがそれまでの自分を90度変えて、ジャマイカが180度まで変えてくれた感じですね」。

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掲載: 2006年04月13日 01:00

更新: 2006年04月13日 19:22

ソース: 『bounce』 274号(2006/3/25)

文/一ノ木 裕之

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