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インタビュー

The Ataris

脱パンク!? 大胆な変貌を遂げて、アタリスが4年ぶりに沈黙を破る!!


「その時に僕がいちばんインスピレーションを受けていたものを、そのまま形にしてレコーディングしたんだ」(ジョン・コルーラ、ギター)。

「ジョンが作った曲を聴いたとき、〈コイツ、やったな(笑)〉って思ったよ。ジョンは僕と同じ方向を向いていたんだ。それが僕のインスピレーションとなって、僕もふたたび曲を書く情熱が湧いてきたんだ」(クリストファー・ロウ、ヴォーカル/ギター)。

 4年の沈黙を破って、アタリスがついに復活した! 大幅なメンバー・チェンジやレーベル移籍を経て、彼らがリリースしたニュー・アルバム『Welcome The Night』は驚きと共に迎えられることだろう。なぜなら、そこには97年のデビュー以来、グリーン・デイ、ブリンク・182に続くポップ・パンク旗手としてファン・ベースを築いてきた彼らはもはや存在しないからだ。

「雨の多い冬の日々を綴ったサウンドトラックのようだよ」とクリストファーが語る今作には、〈ポップ・パンク〉よりもむしろ〈ニューウェイヴ〉〈ネオ・サイケデリック〉〈シューゲイザー〉といった言葉が相応しい。彼ら自身もモグワイ、レディオヘッド、スワーヴドライヴァー、マイ・ブラディ・ヴァレンタインといったバンドからの影響を認めている。

「僕たちは本当にハートから湧き出てきた真摯かつ冒険心に溢れた曲を書きたいと思ったんだ。同じソングライターとは思えないほどの転身だよね」(クリストファー)。

 ピクシーズばりの轟音ギターをフィーチャーしたアクティヴなロック・ナンバーと、陰影と浮遊感に満ちたスロウ・ナンバーのコントラストがバンドの大胆な変貌をダイナミックに描写している『Welcome The Night』は、パンク・キッズに止まらない全ロック・リスナーに聴かれるべき作品だ。チェロ奏者やキーボーディストを含む7人編成の大所帯バンドとして生まれ変わったアタリスは、きっとさらなるファン層を開拓するに違いない。
▼アタリスの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年03月22日 13:00

更新: 2007年03月22日 20:58

ソース: 『bounce』 284号(2007/2/25)

文/山口 智男