インタビュー

昨今のパワー・ポップ人気を支える超重要ディスクを紹介!

 現在活動しているパワー・ポップ・バンドは〈ウィーザー以降〉と呼ばれる面々で、〈パワー・ポップ〉という言葉に囚われずにインディー・ポップとして聴かれているものが多いのではないでしょうか。日本では90年代パワー・ポップの空気を吸い込んで育ってきたアーティストを通じて──例えばASIAN KUNG-FU GENERATIONがいくつかのバンドを彼ら主催のイヴェント〈NANO-MUGEN FES〉に呼んだり、くるりの岸田繁が主宰するNOISE McCAR-TNEYからジェイソン・フォークナーの作品がリリースされたり──若い世代にもパワー・ポップの人気が広まり、ファラーが木村カエラに楽曲を提供するなどの新たな流れを見せています。

OK GO 『Oh No』 Capitol(2005)
おもしろダンス映像が〈YouTube〉で大ブームを巻き起こしたことも記憶に新しい、シカゴ出身のバンド。その映像同様、全体的に良い意味でのチープ感があって、思わず顔がほころんでしまうようなサウンドが楽しすぎです。プロデュースはトーレ・ヨハンソン。

THE CLICK FIVE 『The Click Five』 Lava(2005)
見た目の良さとバックストリート・ボーイズの前座を務めていたことからアイドル的な人気のある彼らですが、今作はパワー・ポップ作品としても質の高い仕上がりなので、ぜひ聴いていただきたい。ファウンテインズのアダムも曲を提供しています。

THE MOTORETTES 『The Motorettes』 Kitchenware(2006)
キャッチーな疾走ナンバー“Super Heartbeat”のヒットで知られるUKのバンドのデビュー作。パンクと60'sポップスの影響を同時に受けつつも、ワナダイズみたいな90年代スウェディッシュ・ポップの雰囲気もあるハッピーなサウンドですよ。

THE WELLINGTONS 『For Friends In Far Away Places』 THISTIME(2006)
デビュー作がロングセラーとなった、メルボルンで活動するバンドの2作目。90'sパワー・ポップの影響を受けつつもオーストラリアらしい大らかなサウンドが印象的で、男女混合ヴォーカルがポップ感を盛り上げます。

FARRAH 『Cut Out And Keep』 Egging/1977(2006)
アジカン主催の〈NANO-MUGEN FES〉への出演や木村カエラへの曲提供で、近頃日本での知名度がグッとアップした彼ら。この3作目ではムーグを使用するなどアレンジの幅も拡がり、疾走だけではない新たなポップ感を打ち出しています。

SILVER SUN 『Dad's Weird Dream』 Invi-sible Hands(2006)
長い活動休止期間を経て2005年に7年ぶりの復活、以降快進撃を続けているUKのバンド。本作ではグラムにパンク、パワー・ポップを絶妙にブレンド。こちらも2006年の〈NANO-MUGEN FES〉に出演して、日本での人気が再浮上中です!

THE SMITHEREENS 『Meet The Smithereens』 Koch/ビクター(2007)
最後に80年代から活躍するヴェテランを。この新作ではビートルズの『Meet The Beatles』をまるごとカヴァーするという荒技を披露。ヴァイナル中毒であるメンバーのビートルズ、そしてレコードへの愛がよく表れた作品です。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年04月12日 16:00

更新: 2007年04月12日 17:22

ソース: 『bounce』 285号(2007/3/25)

文/吾郎 メモ

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