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インタビュー

I HATE KATE

あの悪ガキが心機一転、新たなバンドを従えてマジメなロックを掻き鳴らす!?


 衝撃の脱退宣言から約2年、ゼブラヘッドの元ヴォーカリストであるジャスティン・マウリエロが、新バンドのアイ・ヘイト・ケイトを率いてシーンに帰還。このたびファースト・アルバム『Embrace The Curse』をリリースした。もともとはゼブラヘッドの活動と並行して始めたプロジェクトだったが、現在は「これがフルタイムのバンドだ!」とジャスティン(ヴォーカル:以下同)は言う。

「両方のバンドを同時にやることも考えたけど、それは自分に対しても、彼らに対してもフェアじゃなかった。だから俺は脱退を決意したんだよ。このバンドはいま俺が入れ込んでることのすべてだね」。

  ポップ職人として定評のあるライナス・オブ・ハリウッドをプロデューサーに迎えて、あのポール・ギルバートの自宅スタジオで録音したという本作は、ゼブラヘッド時代からのファンもガッツポーズ間違いなしの強力なフックを持ったアッパー・チューンから、ミディアムテンポでじっくりと聴かせる楽曲まで、ヴォーカリストとしてだけでなく、ソングライターとしてのジャスティンの才能が全面開花した一枚に仕上がっている。聴いた瞬間に思わず嬉しくなってしまうジャスティンのあの声と、ひとつひとつの楽曲がポジティヴなヴァイブを放ち、ジャスティン自身もこのバンドでプレイすることを心から楽しんでいるのが伝わってくるのだ。そんな『Embrace The Curse』のテーマについて訊ねたところ、次のような答えが返ってきた。

「このアルバムのメッセージは、〈みずからの持ち得るものを最大限に利用しろ〉ってことさ。物事は自分の力で、自分自身のために起こす必要があるんだ。例えば仕事や人間関係など何かしらに不満を持っていても、それを変えるだけの力が俺たちには備わっているわけだし……ならば行動を起こす必要があるんだよ」。

 みずからの持ち得るものを最大限に利用する──彼自身、それを考えた時に選んだ選択が、ゼブラヘッドからの脱退ということだったのだろう。

「このバンドは、俺にとってゼブラヘッドではなし得ないやり方で芸術的に自己表現できるバンドなんだ。みんなに俺たちの音楽、そして俺が伝えようとしてることに耳を傾けてほしいと思う」。

 アルバム・リリース後には、早くも来日が決定しているアイ・ヘイト・ケイト。そう、すべてのオーディエンスを笑顔にするジャスティンのパフォーマンスが、ふたたび日本で観られるのだ。

「日本のファンに会える日が待ち切れないよ。君たち全員がこのアルバムを気に入ってくれることを望むね。また会おう! 愛してるぜ!」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年05月24日 19:00

ソース: 『bounce』 286号(2007/4/25)

文/粟野 竜二