そう、遊びの時間はおしまいだよ! ディジーと敵対する(?)ワイリーにも注目だ!!
ある程度の騒ぎになるというのは、それなりにシーンの規模が大きくなったことの証明だとして素直に喜んでおくべきなのかもしれないが……『Maths+English』に収められる“Pussyole(Old Skool)”はかつての仲間であるワイリーをディスった曲として話題を撒いている。ディジーいわく「皆に訊かれるけどそうじゃないよ。世の中の〈Pussyole(○ンコ野郎)〉を指してる。イヤな奴は世間にいっぱいいるだろ?」とのことだが……。
そもそもディジーのキャリアがワイリー率いるロール・ディープから始まったことはご存知だろう。さらに、90年代からペイ・アズ・ユー・ゴー・カーテル(“Champagne Dance”のヒットで知られるガラージ・クルー)で活動してきたワイリーは、ディジーも兄貴分と捉えるべきグライム・シーンのパイオニアでもあるのだ(なお、ワイリーは79年、ディジーは85年生まれ)。当然かつては両者の交流も密であり、ディジーの“2 Far”や“Fix Up Look Sharp(Remix)”、ワイリーの“Ice Link”などでは2人のコラボが聴けた。ワイリーが同じくXLから地上デビューし、ダーティー・スタンクを立ち上げたディジーがロール・ディープを脱退してからも両陣営は友好的な関係にあったと思われる。が、ワイリーがふたたび地下に潜ったあたりから雲行きは怪しくなり、現在の状況に至ったようだ。
そんなワイリーは自主制作のアルバム『2nd Phaze』や膨大なミックステープの発表、グライム~ダブ・ステップ界隈の多彩なプロデュース・ワークを経てビッグ・ダダと契約。『Maths+English』(の輸入盤)と同日に新作『Playtime Is Over』をリリース予定! しかも“Letter 2 Dizzee”なんて曲があったり、これは盛り上がること必至だ! まあ、数多のMCに対してスポーティーにバトルを仕掛けているワイリーだけに、一部では共謀プロモーション説も囁かれているのだが、いずれにせよオリジネイターが繰り出す渾身の一撃に触れないわけにはいかないだろう。