インタビュー

Soulive

超人気トリオにヴォーカリストが加入! 最高にソウルフルなニュー・バンドが誕生したぞ!!


  ヒップホップ時代のソウル・ジャズ・オルガン・トリオであり、ジャム・バンド・ミュージック界の人気バンドとしても君臨するソウライヴが大変身を遂げた。なんと、ポール“トゥーサン”バレットというボストン出身の塩辛いソウルフル・ヴォイスの持ち主をメンバーに迎え、ヴォーカリスト付きの4人組になったのだ。

 「僕たちはこれまでインストゥルメンタル・ミュージックをやってきたし、いまでもそれを愛している。でも、僕たちは常に自分たちのなかに何か新しいものを生み出そうと懸命なんだ。誰でもいつも同じものを聴いていたくないからね」(アラン・エヴァンス、ドラムス:以下同)。

 彼らの熱心なファンなら、ソウライヴ・サウンドと歌の噛み合わせの良さはすでに認知済みだろう。彼らはレジー・ワッツ(マクチューブ)をフィーチャリング・シンガーに雇った日本ツアーで大ウケしたことがあったし、前作『Break Out』はチャカ・カーンら複数のゲスト歌手を迎えたもので、それは何とも魅惑的な味を出していたから。

  「僕たちはソウライヴの外では、より歌モノ志向のことをやっていた。で、僕たちは思ったんだ、それをバンドのなかでやろうじゃないかと……。今回は、僕たち3人がゲスト・シンガーをフィーチャーしたものではない。まったく新しいバンドなんだ!」。

 結果、新生ソウライヴはなんともエモーショナルなソウル・バンドとなった。豊かな伝統の積み重ねといまの息吹が交錯する、どすこいな技ありリズム&ブルースを彼らは堂々と展開。そして、そんなストロングなソウル表現が詰まった新作『No Place Like Soul』(のUS盤)には、往年の名サザン・ソウル・レーベル、〈スタックス〉のロゴが付けられる(彼らがUSでは前作から契約しているコンコードにスタックスの権利が移ったため)。

 「スタックスのロゴが入ったアルバムの最終版を手にして、物凄く達成感があった。思い返せば、スタックスの人たちは独特の個性を持っていた。アイザック・ヘイズ、オーティス・レディング、バーケイズ……彼らは真にオリジナルで、音楽にキャラクターがあったんだ。そうした系譜のなかで僕たちも自分の音楽をできるなんて、嬉しくてたまらないよ!」。

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掲載: 2007年06月21日 13:00

更新: 2007年06月21日 17:42

ソース: 『bounce』 287号(2007/5/25)

文/佐藤 英輔