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インタビュー

Velvet Revolver

〈ダイナミックなグルーヴに溺れたい〉って? 〈硬くて太いのが欲しい〉って? 〈自由を手に入れたい〉って? 〈本物のロックンロールが恋しい〉って? だったら、四の五の言わずに奴らの新作を聴きやがれ!!

ロックンロールの精神はどこへ?


 いまどき〈セックス、ドラッグ&ロックンロール〉なんて、使い古された概念かもしれないし、特に若い世代にとっては現実味が希薄だろうし、クールに感じられるものでもないのだろう。が、しかし、鳴らされた音そのものやパフォーマンスから沸き立つ官能的なヴァイブ、時にヴァイオレントともいえる危うい香りや翳り、そして命をも投げ出すかのような、あるいは何者かに取り憑かれたかのような恍惚のプレイにロックンロールのリアルを見た思いがして、熱い興奮と感動、というか快感を覚えるのもまた事実ではないだろうか。そんな忘れかけられたロックンロールのエキサイトメントを体現している、シーンでも稀少なバンド──それがヴェルヴェット・リヴォルヴァーである。彼らのライヴを一度でも体験したことがある人ならば、きっとこれに異論はないと思う。ハリウッドのスタジオで話を聞かせてくれたスラッシュ(ギター:以下同)が、苦笑交じりに語る。

「オレたちはオールド・スクール出身で、60年代や70年代のものに影響を受けてきたんだよ。だからハードで度を超したライフスタイルがベースにあって、それがいまもパーソナリティーに継承されてる。メンバーそれぞれにピュアなロックンロールの精神が宿ってると思うんだ。2000年以降に登場した多くのバンドは、あまり個性的に映らなくてね。みんな行儀が良いし、なんだか顔がない感じでさ。コンビニで働いてても、きっと気付かないよ(笑)。それにどのバンドにも、いわゆるロックンロール精神を感じないんだ。いまは違うトレンドになってるみたいでさ。このトレンドがどこに向かっているかなんて知らないけど、オレたちは自分が好きなことをやってるから、他のバンドとの間に大きな溝ができちゃったんだね」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年06月28日 19:00

ソース: 『bounce』 288号(2007/6/25)

文/鈴木 宏和