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インタビュー

『Kala』から社会復帰(?)するブラックスターに注目★

 さて、『Kala』のサウンド的なトピックが、スウィッチの生み出すベース・トラックの独創的なおもしろさにあるのは当然なのだが、彼については本誌の3月号で紹介しているので、お手持ちのバックナンバーや〈bounce.com〉をご確認いただくとして。ここでは“The Turn”と“What I Got”を手掛けたよりフレッシュな次代の才能、ブラックスターを紹介しよう。2005年頃からボルティモア産のCD-Rやブート・ミックスにトラックを提供してきた彼は、M.I.A.いわく「とにかく変人! 家の地下に寝室を兼ねたスタジオがあるんだけど、クラブの雰囲気を出したいのか、照明は暗くてヒーター全開。彼はパンツ一丁で目のやり場に困った。あまりの暑さに上着を脱ぎたかったけど、自分も脱いだら危ないと思って、がんばって汗をかきながら服を着てたわ。いま思えば私を脱がせるための作戦だったのかも(笑)」……って、何をやってんだキミらは。まあ、刑務所と地下室を往復しているという噂の彼も、ディプロが主宰するマッド・ディセントから過去の自作トラックを集めたEP『Supastarr』をリリース済み。そこからミックスCDにピックアップされている曲もあるが、今回の『Kala』ではリック・ルービンばりに硬質なヒップホップ・ビートがクソ格好いい“What I Got”を披露するなど、いままでにないスタイルにも挑戦している。ディプロばりに飛躍できるかどうか、今後の展開が楽しみだ。

▼ブラックスターのトラックが聴けるミックスCDを紹介

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年08月16日 11:00

更新: 2007年08月30日 18:05

ソース: 『bounce』 289号(2007/7/25)

文/出嶌 孝次