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インタビュー

LEO今井

東京&ロンドンで育ち、実にオリジナルな感性を磨いてきたシンガー。彼が魅せられた〈大都市の夜〉を描く、一大ロック絵巻が登場!


 KENJI JAMMERや青柳拓次が参加したファースト・アルバム『CITY FOLK』で注目を集めたLEO今井。日本人の父親とスウェーデン人の母親の間に生まれたLEOは、子供の頃から東京とイギリスを往復しながら、さまざまな音楽を吸収して育ってきた。そんな彼がもっとも触発されたもの、それは東京やロンドンといった都市が放つ強烈なパワーだという。同作のタイトルに刻まれた〈シティー〉というキーワードを発展させた今回のニュー・アルバム『FIX NEON』には、大都会の輝き、そして闇が散りばめられている。

「レコーディングを始める前から〈ネオン〉というキーワードがあったんです。僕は都市の持っている疾走感、色鮮やかさがスゴく好きで。もちろん、その裏側にはグロテスクな部分もいっぱいある。美しさと醜さ、そういった都市のイメージが新作のヴィジョンになりました」。

 都市が孕む光と闇の構図は、そのままサウンドに反映されている。LEOがプレイするシンセのひんやりとした音色、そこに激しいバンド・サウンドが加わって、街のさまざまな表情が浮かび上がる。

「僕の弾くシンセはネオンの輝きを象徴しているんですが、根っこにあるバンド・サウンドはロックで人間臭いんです。そうやって熱いものに冷たいヴェールを被せているというか。僕が青春時代に大きな影響を受けたのが、グランジとワープ周辺のテクノだったことに関係しているのかもしれない」。

 そして本作では、彼が大ファンだという元スマッシング・パンプキンズのジェイムズ・イハや、ZAZEN BOYSの向井秀徳と吉田一郎をゲストに迎えるなど、強力な布陣がバックアップ。なかでもZAZENの2人が参加した“Metro”では、向井のギターに煽られるようにLEOの歌声はいつにも増して激しく昂ぶる。「出来上がった音を、向井さんや吉田さんと〈カッコいいなあ〉って何度も聴きました、首振りながら(笑)」と作った本人も納得する仕上がりだ。「いろんなアーティストから影響を受けながら、自分の体温が伝わるようなサウンドを作っていきたい」という彼にとって、本作は学ぶことが多い挑戦だったに違いない。

「都市の夜景を見ていると、何だか切ないような不思議な感情が湧き上がってきて、自分のルーツとか考えちゃうんですよ。僕はネオン中毒(NEON FIX)なのかも」。

 人と街が交差して生まれる音楽、それがLEO今井のネオン・ロックだ。

▼LEO今井の作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年03月06日 19:00

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/村尾 泰郎