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インタビュー

ケヴィンに通じる天然オルタナなR&Bアーティストの皆さん

 己の快感原則に従って音楽を聴いていたら自然に尖っちゃいましたという感じが清々しいケヴィン・マイケル。ファンクのボトムとR&Bのスムースネスを感じさせるケヴィンのような天然オルタナティヴ系アクトは、これまでも地味ながら堂々と現れてはシーンに刺激を与えてきた。デビュー作でヒッピー気分を匂わせたラヒーム・デヴォーン。ロックっぽいエッジを利かせながらタイトで乾いたソウルをやってみせたヴァン・ハントやコーディ・チェスナット。ニュー・クラシック・ソウル期に登場して徐々にアブストラクトな表現に向かいつつあるラサーン・パターソンやトニー・リッチ。ダーティーにソウルするビラル。そのビラルにブルースの苦味を加えたようなケイト・ヤング。ナールズ・バークレーとしてはケヴィンと同じダウンタウンのレーベルメイトでもあるシー・ロー……と、名前を羅列していくと、その多くがケヴィンも憧れるプリンスの影響下にある人だったりして、巡り巡ってプリンスの偉大さを再確認したりも。そのプリンスへのオマージュ的な曲を歌っていたUKのネイト・ジェイムスは、ライトスキンのアフロヘア同士ということでケヴィンとも仲良くなれそうだ。また、黒人/白人の世界を共有する同世代としては、ルーペ・フィアスコを招いたという共通点も含め、NYのギター歌姫であるエミリー・キングと共振する。いっしょにR&Bの王道をハミ出す仲間はたくさんいるってわけだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年03月19日 13:00

更新: 2008年03月19日 17:23

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/林 剛

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