インタビュー

キャプテンストライダム

初の海外レコーディングで実感した、純粋に音楽をやることの意義。〈music is global language〉を胸に完成した快心作ですよ!


  バンド史上類を見ないホットなグルーヴとテンションを聴かせたシングル“わがままチャック”“人間ナニモノ!?”の予告どおり、ニュー・アルバム『音楽には希望がある』には、飛躍的にアップデートされたキャプテンストライダムの姿が記されている。かねてから日本のロック・バンドをプロデュースしたいと聴き漁っていた名セッション・ドラマー、スティーヴ・ジョーダンからのラヴコールをきっかけに、作品の制作はNYでのセッションから始まった。

「この時期にNYに行けたのは、奇跡的に良いタイミングだったと思います。アルバムを3枚作ってきて、曲作りのクセみたいなものがついていたところもあるんで、今回はゼロの段階から3人で曲作りをしました。で、NYでのレコーディングですよね。初めて行く場所だし、言葉が通じないし――〈純粋に音楽をやる〉っていう環境でレコーディングできたっていうのは、僕らのなかでも大きな出来事でした」(永友聖也、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 NYで6曲を録り終えて帰国後、セルフ・プロデュースでのレコーディング。ポップなメロディーと疾走感のあるギターが塊で転げ回る“ガラクタ”ほか3曲が完成した。

「スティーヴのやることと自分たちのやることを比べてもしょうがない、ベストを尽くすしかないと開き直って、凄く楽しんでやれましたね。スティーヴから学んだのは、まずサウンド云々ってことじゃなくて、どうやったら人に伝わるかっていうことを真剣に考えて、そこに向かってやっていくっていうこと。そこに集中すると、結果、そういうサウンドになっていくんですよ」。

 続いて、笹路正徳をプロデューサーに迎え、煌びやかなダンス・チューン“リズム&スパイダー~男と女の関係~”など3曲を制作する。

「なんか、もうひとつチャレンジしたくて。笹路さんとは“風船ガム”(2006年)っていうシングル以来で。当時も良いものが出来たと思ってるんですけど、笹路さんの力を借りたからっていう感覚が強かったんですよ。でも今回はもっと高い次元で笹路さんと音楽を奏でられるんじゃないかって。この3曲は、J-Popをめざして作ったんです」。

 てんでバラバラ……ではなく、〈一粒で3度美味しい〉。どんな曲調、アレンジであっても、そこにはキャプテンストライダムというバンドが現在身に着けている頼もしさ、強い意志が貫かれている。

「NYでスティーヴが〈music is global language!〉と言っていたのが、自分のなかに凄く残っていて。その気持ちがあれば何でもできるんです。作品全体は凸凹していて構わない、楽しくなればなるほど良いと思ってやってましたから」。

▼キャプテンストライダムのアルバムを紹介。

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掲載: 2008年07月23日 19:00

ソース: 『bounce』 300号(2008/6/25)

文/久保田 泰平